鏡リュウジ 心の扉を開く タロットと占星術 第6回(全20回) 占いは未来を当てるだけではありません。自らの心の深層を探る──それも役割の一つ。あなたの心の扉を開くために、古の世界観の旅へと鏡リュウジさんが誘います。
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西洋では、占星術はいつタロットカードと結びついたのか。その歴史を見ていくことにしよう。
タロットと西洋占星術との関係は18世紀にさかのぼる。最初にこれらを結びつけたのは、フランスの、おそらく史上初の職業タロット占い師であるエテイヤだ。占星術や錬金術にも通じ、現在では否定されているタロットのエジプト起源説をもとに占星術と紐づけた。
その紐づけは少しずつ変化し、ロンドンの魔術結社「黄金の夜明け団」により定式化された。占星術とタロットの密接な関係を明らかにし、12星座それぞれにふさわしいカードを当てはめたのだ。
タロットカードはトランプと同じで、イスラムを起源とする4つのスート(組)からできている。トランプのような数札を小アルカナと呼び、全部で56枚ある。ゲームで切り札となる絵札は大アルカナといい、全部で22枚だ。「アルカナ」とは神秘を意味するラテン語。タロットは、主だった出来事を占う“大きな神秘”のカードと、より具体的な“小さな神秘”を占うカード78枚のセットになっているというわけだ。「黄金の夜明け団」は、12星座にはこの大アルカナを当てはめている。
当時の社会的な役職である「教皇」などが描かれている大アルカナは、最初はわかりやすい寓意画であった。しかし、
次回から掲載しているウエイト=スミス版で絵を担当したパメラ・コールマン・スミスは、カード制作を依頼したオカルト主義者・アーサー・ウエイトらによるオカルト的解釈を取り入れ、豊かなイメージをかき立てる象徴をふんだんに盛り込んだカードに仕上げた。その親しみやすい絵柄はたちまち人気を博し、現在では占星術家なら、一つは持っているカードとなった。
また、一つの星座は360度のホロスコープの中で30度ずつに区切られているが、それをさらに10度ずつ3つに分ける「デーク」という区分法がある。「黄金の夜明け団」はそれに小アルカナを当てはめた。「デーク」では、その星座の影響をどれほど強く受けているかなどがわかる。
今回はこうした「黄金の夜明け団」によるタロットと各星座の照応をもとに、あなた自身と2022年後半の運勢を次回から解き明かしていこう。誕生日の星座とデークにあるカードがあなたの「運命のタロット」となる。
2022年後半(7月1日〜12月31日)の運勢を占う。あなたの星座でわかる「運命のタロット」
牡羊座の運勢牡牛座の運勢双子座の運勢蟹座の運勢獅子座の運勢乙女座の運勢天秤座の運勢蠍座の運勢射手座の運勢山羊座の運勢水瓶座の運勢魚座の運勢 文/鏡リュウジ 浅島尚美〈説話社〉 撮影/本誌・西山 航、大見謝星斗 撮影協力/ニチユー 東京タロット美術館 LECURIO 構成/三宅 暁〈編輯舎〉
『家庭画報』2022年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。