鏡リュウジ 心の扉を開く タロットと占星術 第13回(全20回) 占いは未来を当てるだけではありません。自らの心の深層を探る──それも役割の一つ。あなたの心の扉を開くために、古の世界観の旅へと鏡リュウジさんが誘います。
前回の記事はこちら>> 天秤座(9/23~10/23)
誰にも侵されない正邪の天秤を掲げて
11 正義客観的に判断する。正しいことを見極める。難しい二者択一を迫られることがあるかも。【キーワード】正義/裁き/公平/合理的けがれなき魂を正しく選び続ける
あなたを守る運命のタロットは「正義」です。右手に剣を、左手に正邪をはかる天秤を持つ女性は、安定とバランスの象徴です。社交的で天性の世渡り上手である天秤座は、常に2つの選択肢を思い浮かべ、よりメリットのあるほうを選択できる星座。客観的でクールな判断力によって、自分を追い込みすぎない環境に身を置くことができるはずです。面白いのは、それがいかにも損得重視で計算しているといった不快感を周囲に抱かせないこと。自分がよければそれでいいという独りよがりな判断ではなく、誰が見てもそう思うだろうという結論を出す、一歩引いた客観的な視点が洗練された言動につながっているのでしょう。そこからは、「正義」のカードが象徴する公平さが天秤座に備わっていることが見てとれます。どんな状況であれ、たとえ自分自身のことであっても、あなたは公平に判断するはず。感情では、もっと泥くさい道を選びたいと思ったとしても、天秤座の冷静さがその先にある不幸を見逃しはしないのです。
もっと恋に溺れられたらいいのに、たとえどん底に落ちても不器用なあの人に肩入れできたらいいのに──そう思う場面が幾度となくやってきても、やはりあなたは「最善の選択」をするでしょう。忘れてはならないのは、それが「ズル」ではないということ。あなたがきちんと正しい道を選ぶからこそ、救われるものがあるのです。
2022年後半は、幸運の星・木星が「パートナーシップ」の位置に滞在。人間関係の変化によって、環境を変えることを余儀なくされそうです。安定した基盤が崩れるのではと心配になりますが、実際は物事が好転する可能性大。視野を広げ、周囲の状況も含めて判断すれば、新しい展開が期待できるでしょう。特にビジネスで大きな取引が終わったり、長年一緒にやってきた人との縁が薄れてしまったりしたときはチャンス。これまで時間がないから、しがらみがあるからと後回しにしてきたことに着手できるようになります。離れてしまう相手とも、喧嘩別れするわけではなく「そういう時」なのだと割り切ればすぐ前向きに。秋に旧縁の復活がありそうですが、後戻りせず新たな縁を大切にしてください。
9月23日〜10月2日生まれ「剣の2」剣の2が表すのは「2つの意見」。判断する力を磨き、対立する意見にも等しく耳を傾けると運気が好転します。ただ、板ばさみになると弱気になり、矛盾から目をそむけてしまいやすい点には要注意。
10月3日〜10月12日生まれ「剣の3」「正義」とともに、剣の3のカードが表す「罪悪感」の性質も持つあなた。正邪の判断を下し、時に厳しい結論を出すこともありますが、そこに一抹の気まずさが。ユーモアが心を和らげるでしょう。
10月13日〜10月23日生まれ「剣の4」あなたは剣の4が示す「静」の性質を持っています。常に活発に動くよりも、ここぞというときに動き出すタイプ。疲れたときは休息をとり、心穏やかな時間を確保すると、自分らしく過ごせます。
世界で最も売れ、タロットの定番ともいえるのが、これらのウエイト=スミス版(ライダー版)。神話的なモチーフが想像力を喚起する。『ライダータロット スタンダード〈U.S〉』より掲載。カード撮影協力/ニチユー、東京タロット美術館 文/鏡リュウジ 浅島尚美〈説話社〉 撮影/本誌・西山 航、大見謝星斗 撮影協力/ニチユー 東京タロット美術館 LECURIO 構成/三宅 暁〈編輯舎〉 星座絵は『19世紀の占星術師』(鏡リュウジ蔵)より
『家庭画報』2022年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。