鏡リュウジ 心の扉を開く タロットと占星術 第18回(全20回) 占いは未来を当てるだけではありません。自らの心の深層を探る──それも役割の一つ。あなたの心の扉を開くために、古の世界観の旅へと鏡リュウジさんが誘います。
前回の記事はこちら>> 魚座(2/19~3/20)
ひとときも同じ姿を見せないおぼろげな月に心を投影する
18 月不安定な気持ちや状況。曖昧な話に振り回される。心の声に耳を傾けると発見が。【キーワード】幻想/優柔不断/受動的/隠れた敵
豊かな感受性を生かし芸術の才能を開花
あなたを守る運命のタロットは「月」です。日々その姿を変える月は次第に満ちて満月となり、また欠けていき新月に。永遠に満ち欠けをくり返し、一日として同じ顔を見せません。そんな月の姿は、共感力が高く、自他の境界を溶かすとされる魚座にとても近いものがあります。常に揺れ動く感情は不安定で、世の中の時間軸とは別の物語の中で生きているかのよう。眠る間際に見た悲しい動画のことが忘れられず、布団の中でずっと自分にできることを調べていたら、眠れないまま朝を迎えて寝不足に。重い体をひきずって行った会社で思いきり居眠りしてしまった……などという、ほかでは聞けないようなエピソードを披露できるでしょう。魚座はとにかく感受性も同情心も豊か。他人のことも自分のことと同じように考えますから、友人の悩みを聞いているうちに、思わず本人よりも涙してしまうタイプなのです。
そんな鋭敏な感性を持つ魚座には心強い相談役が不可欠。優しいあなたにつけ入る悪者を遠ざけ、冷静な意見をくれる友人が複数いると安心です。信頼できる人に支えられ、芸術方面での才能を開花させる魚座も多いでしょう。
2022年後半は、幸運の星・木星が「五感」と「財産」の位置に入ります。衣食住へのこだわりが強まり、もっと快適な生活を送りたいという思いに駆られるでしょう。インテリアを替えたり、不要なものを処分したり、少しずつ手をかけることで気分がすっきり。新しいチャンスを引き寄せるなど運も高まっていきます。投資や不動産に関するニュースにも目を向けるといいでしょう。マネープランを見直し、不要な保険は解約するか、特約の変更をしても。そうすることで、お金も運も動き出し、今を生きるための財が手もとにやってくるでしょう。
機会があれば、セカンドハウスを作って、平日と週末で生活する場所を変えるのもおすすめです。都会と田舎という分け方にこだわらず、心を潤すために必要な場をもう一つ用意するという発想で自由にプランニングを。住居に余裕があれば、くつろいで読書や音楽を楽しむスペースを確保するだけでもいいでしょう。気持ちの切り替えができ、生きがいを感じられそうです。
2月19日〜2月29日生まれ「杯の8」あなたには杯の8「脱出」の性質があります。現状から抜け出して、次の目的を見出す力があるでしょう。価値観の変化を恐れず得たものを潔く手放すほうが、転機とチャンスを手にしやすくなります。
3月1日〜3月10日生まれ「杯の9」杯の9には「成就」「成功」の意味が。ことをうまく運び、満足のいく結果を出せる人です。物質的、社会的な成功だけでなく、精神的な満足度を高めていくと、より幸せを感じやすくなるでしょう。
3月11日〜3月20日生まれ「杯の10」杯の10が表す「余裕」は、あなたに満ち足りた幸せを与えます。ただ、それだけでは困難を乗り越える力が育たない恐れが。「月」の持つ曖昧さで自分をごまかさない強さがさらなる幸せを招きます。
世界で最も売れ、タロットの定番ともいえるのが、これらのウエイト=スミス版(ライダー版)。神話的なモチーフが想像力を喚起する。『ライダータロット スタンダード〈U.S〉』より掲載。カード撮影協力/ニチユー、東京タロット美術館 文/鏡リュウジ 浅島尚美〈説話社〉 撮影/本誌・西山 航、大見謝星斗 撮影協力/ニチユー 東京タロット美術館 LECURIO 構成/三宅 暁〈編輯舎〉 星座絵は『19世紀の占星術師』(鏡リュウジ蔵)より
『家庭画報』2022年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。