氷上のエンターテイナー、ハビエル・フェルナンデスさん。ジャンプこそ4回転は跳ばなかったものの、軽やかなエッジワーク、高いスケーティングスキル、艶のある表現力にはさらに磨きがかかっていた。ハビエル・フェルナンデスさん(スペイン)『Impossibe Dream from Man of La Mancha』
羽生選手とトロント・クリケット・スケーティング・アンド・カーリング・クラブでの同僚として知られ、18年平昌五輪では今回披露してくれたFS(フリースケーティング)で、男子フィギュアスケート銅メダルを獲得したハビエル・フェルナンデスさん。19年の現役引退後、現在は地元スペインにてアイスショーやスケート教室などを開催し、普及活動に力を入れています。
現役時代のハビエルの魅力はなんといっても情熱的な表現力に、高いスケーティングスキル。『マラゲーニャ』『ラ・マンチャの男』といった名プログラムで引き込み、『エアロビッククラス』などのユーモアあふれるエキシビションで会場を一つにする力のある魅力的なエンターテイナーです。その個性は今回も健在でした。
リンクを力強くスピーディに滑りながら魅せた『ラ・マンチャの男』。ダイナミックでキレのある演技をまた見ることができた喜びは格別でした。
キュートな妖精が氷上に舞い降りてきたようだった、三原舞依選手。広瀬香美さんの伸びやかな歌声に乗って披露した可憐なスケーティングで、観客の皆さんを笑顔に変えていた。三原舞依選手(日本)『ゲレンデがとけるほど恋したい』with広瀬香美
もう本当に可愛すぎました。前半に見せてくれた『Never Enough』も三原選手のひたむきさ、可憐さが表現された演目なのですが、今回は広瀬香美さんとコラボしたこちらのプログラムのインパクトが大でした。
ときにスキーのパラレルを思わせる振り付けを入れながら、満面の笑みで縦横無尽に滑る三原選手。スケートをしている瞬間が楽しくて仕方ないという気持ちが伝わってきて、まさに妖精の舞のようでした。会場のあちらこちらから「可愛い」という声が聞こえてきたので、皆さん、ハートをつかまれたのでしょう。
2015年に発症した若年性突発性関節炎の影響で19/20シーズンは休養しましたが、翌シーズンから復帰。三原選手ならではの透明感のある演技をこれからもたくさん見せてほしいと思います。