「ひらまつ」で五島の魅力を味わい尽くす！ 食べるだけでSDGsに貢献できるフェアが開催

おいしく食べて、環境への取り組みに貢献

昨年の好評を受けて今年も行われている「ひらまつ」の五島フェアでは、「食べるだけでSDGs」をキーワードに都内5店舗のシェフが作り上げた、五島の魅力を味わい尽くす特別コースを堪能できます。五島の美しい自然に思いをはせながら、おいしく食べることで環境への取り組みにも貢献できるこのフェアは、2022年5月から9月まで各店舗が1か月ずつリレーする形式。

6月に味わえるのは「代官山ASO チェレステ 日本橋店」の菊池恒毅（きくち・こうき）シェフによる、海の幸をふんだんに使ったコースです。




アミューズ「海不知鮭（うみしらず）と自家製リコッタチーズ　五島醤（ひしお）のジュレ」。海不知鮭の名前は海洋深層水を使って陸上で養殖するサーモンゆえ。市場に出ず廃棄されてしまう未利用魚で作られた五島醤は、魚のうまみが凝縮されただし醤油のよう。木製のスプーンも五島の工房に依頼して製作した。

フェアの醍醐味は、各店のシェフが実際に現地を訪れ、食材や生産者と向き合うことで生み出した独創的な料理です。菊池シェフが五島へ足を運んだ回数は、5人のシェフの中でも最多。食材と土地、そこに住む人々に誰よりも魅了されたシェフが作るコースは、まさに料理を通して五島を追体験するかのようです。

“初夏の海辺”を表現したスープ

「椿メロンと椿やさいのガスパチョ」。日本一美しいともいわれるビーチ「高浜海水浴場」をイメージしたプレゼンテーションには、現地の砂や貝殻を使っているというこだわりが。浜辺に流れ着くボトルメールに見立てた小瓶の中身はハーブオイルで、ガスパチョにかけることで爽やかな風味の変化を楽しむことができる。

コースの目玉となるメニュー「椿メロンと椿やさいのガスパチョ」は、五島列島・福江島のメロン農家「やしろ農園」の「椿メロン」ときゅうりで仕立てた冷製スープ。

やしろ農園では、五島で生産が盛んな椿油の精製で出る搾りかすや椿酵母を、ミネラル豊富な海水とともに肥料にする循環農法を行い、上質な野菜を栽培しています。「椿メロン」は高糖度で、きめ細かな果肉はしっかりとした歯ごたえ。濃厚でありながらもすっきりとした後味が特徴です。

具材には、同じく福江島で創業70余年の歴史を持つ「金澤鮮魚」が独自の手法で仕上げた熟成魚を合わせて。甘みたっぷりでみずみずしいメロンとのコンビネーションは新感覚の味わいです。

五島の漁師を応援したいという思い

「ひのひかりのリゾット まんまるあじのティエピド」。リゾットの上に乗る「まんまるあじ」は、あじとは思えないほど肉厚でたっぷりと脂がのった、シェフもお気に入りの食材。五島列島の奈留島で丁寧に時間をかけて養殖されている。

五島の海では漁獲量の減少に加え、海藻が失われてしまう「磯焼け」が問題になっており、えびやいかの漁にも影響を与えています。

海藻を食べつくしてしまう魚やうにを原料に魚醬を作るなど、地元の漁師による海洋環境を次世代につなぐための取り組みを見た菊池シェフは、「こうした課題に真摯に向き合う生産者が手がけた魚を使い、少しでも五島の皆さんへ貢献できればという思いでコースを考案しました」。

肉料理以外はすべて海の幸を中心とした構成で、五島のSDGsへの取り組みに触れながら、豊かな海を感じられるコースが誕生しました。

6月以降も西麻布「レストランひらまつ レゼルヴ」、「代官山ASO チェレステ 二子玉川店」、丸の内「サンス・エ・サヴール」と続く今回のフェア。

シェフそれぞれがどのように五島の魅力を表現するのか、ますます期待が膨らみます。