エンターテインメント

成田 凌さんが念願の舞台に!『パンドラの鐘』はすべてを出し切ることができる作品

2022.06.23

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成田さん

僕が演じる「ミズヲ」が愛おしい存在になればいいなと思います── 成田 凌さん


成田さんが演じる「ミズヲ」は、1999年の初演時の蜷川版では勝村政信さん、野田版では堤 真一さんがそれぞれ演じている。成田さん自身はこの役をどうとらえているのか。

「映像でどちらの演出も拝見させていただいたのですが、それぞれミズヲのあり方というものが全然違うという印象を持ちました。どう違うのかを言葉にするのは難しいのですが、僕が演じることでまた新しいミズヲができたらと思います。僕にはミズヲは力強く生きていたと感じられました。物語を引っ張っていくのか、少しずつ築いていくことでみんなを巻き込んでいってしまうのかということも多分変わっていくので、稽古をしながら気づくのではないでしょうか。僕はお客さんにはミズヲに感情移入していただきたい面もありますが、一方で、お客さんとは少し距離を取りたいとも思います。いずれにせよ愛おしい存在になればいいなと思います。


演出の杉原さんは今までの僕の作品を見てくださっていて、そのお言葉をお借りすると“自然体でお芝居をする人”という印象を持ってくださっていたようです。僕自身“何もしないからこそ何かが伝わる”と信じて演じていましたし、それが演じる上で正解だと思っていたのですが、最近はお客さんに伝えなければならないことがたくさんあることに気づきました。演劇は、自分を出して表現しなければならないことがあるので、杉原さんとはそれを目指そうという話をしました」

淡々と語るその様子には静かな情熱が漂っている。

今回の共演者には『わろてんか』の主演で成田さんと共演した葵 わかなさんもその名を連ねている。久しぶりの共演に対する思いも伺った。

「葵さんは僕よりも5歳年下なんですが、初めて共演したときはとてもしっかりした女性だなと思いました。当時の彼女は19歳で僕のお母さん役だったんですが、その風格がありました。今回葵さんが演じられる役がまさにそこにいることに価値があるといった役柄なので、本番でもそういう感じで存在してくれるだろうとすごく頼りにしています」

舞台で演じることで自分のすべてを出しきる


成田さんにとって“演じる”ことはどんな意味を持っているのだろう。

「考えさせられることも、身になることもあるし、台詞に気づかされることもあります。演じることでいろんな場所に行って、いろんなことをしたいです。演れば演るほど自分が未知であることを理解しますが、どんどんわからなくなっていく。今このタイミングで演る『パンドラの鐘』は、自分のすべてを出しきることができる作品だと思います。終わってからが楽しみです」

“新たな自分”に出会うチャンス。そんな舞台が成田さんを待っている。

成田 凌/なりた・りょう

1993年、埼玉県出身。2014年ドラマ『FLASH BACK』で俳優デビューを果たす。主な出演作に『スマホを落としただけなのに』『カツベン!』『窮鼠はチーズの夢を見る』『まともじゃないのは君も一緒』『くれなずめ』など。『あなたに聴かせたい歌があるんだ』がHulu独占配信中。待機作にHuluオリジナル『コンビニエンス・ストーリー』(2022年8月5日公開予定)が控えている。



COCOON PRODUCTION 2022
NINAGAWA MEMORIAL
『パンドラの鐘』


『パンドラの鐘』

1999年に蜷川幸雄からの依頼で野田秀樹によって書き下ろされた作品。同時期にBunkamuraシアターコクーンと世田谷パブリックシアターの2館で蜷川幸雄と野田秀樹による演出で上演されたことが話題となり、一大センセーションを巻き起こした。2016年に亡くなった蜷川幸雄の七回忌を迎え、Bunkamuraシアターコクーンでは初演以来23年ぶりに上演される。

「遺跡の発掘」、「古代の王様の殉死」、「長崎への原爆投下」などをモチーフに古代と現代の時間軸を行き来する物語。演出は気鋭の若手演出家の杉原邦生が手がける。出演は成田 凌、葵 わかな、前田敦子、玉置玲央、大鶴佐助、柄本時生、片岡亀蔵、南 果歩、白石加代子ほか。

Bunkamuraシアターコクーン
〜2022年6月28日
S席1万1000円ほか
Bunkamuraチケットセンター:03(3477)9999(10時〜17時)
URL:https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/22_pandora/
表示価格はすべて税込みです。
撮影/永田忠彦 構成・文/山下シオン ヘア&メイク/宮本 愛〈yosine.〉 スタイリング/伊藤省吾〈sitor〉

『家庭画報』2022年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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