父が予言した謎の言葉「カルシウムだ、カルシウム」
私は大学生になり、告白されてつきあっていた女性がいました。しかし私には別に好きな女性がいて、彼女とは我慢と妥協でつきあっていたのです。
結局3か月で別れてしまい、父に「俺って恋愛運悪いのかな?」と嘆くと、「ああ、恋愛運悪い」と父は何のためらいもなく返しました。
「お前は(恋愛の対象は)医者か建築家じゃなきゃダメだ」というので、私が「文系大学の日本文学科に通ってて、どこでそんな女性と知り合うのだ」と聞くと、「カルシウムだ、カルシウム」といいます。話はかみ合わないし、意味がわかりません。
その後、私は家を出て一人暮らしを始め、中学入試の塾の国語講師をしていたのですが、ある時母から父の具合が悪くなったので父の仕事を手伝ってほしいといわれ、実家に戻ることになりました。
私は占星術の勉強をすることにし、まずはホロスコープを書くことから始めました。ホロスコープが反時計回りになっているということさえも知らなかったのです。こうして私は父の執筆の手伝いをするようになりました。
父は占星術の仕事を私に継がせようと考えてはいませんでしたが、父の占術方法は他の西洋占星術と比べてかなり特殊だったので、仕事を手伝うなかで占術の奥義を伝授されたといってもいいかもしれません。
ある時、勉強のため父の著作『ザ・占星術』(『続 ザ・占星術』としてリメイク版がある)を読んでいると、私の恋愛運が悪い原因がわかりました。
恋愛運を悪くするとされる星、土星が私のホロスコープで恋愛運の部屋に入っている時に私が生まれたのです。私は土星のことを「厳しい先生」と呼んでいますが、確かに土星は運勢を悪くする原因になります。
その土星が持つ吉凶関係ないニュートラルな暗示は、「医学、数学、古典、歴史、山羊座、バツイチ、黒、年上、石、骨」です。
そこでこれらの意味と関係した女性とつきあえばいいのかと思っていると、読みが当たり、父の他界後すぐに山羊座の女性が私の前に現れました。私はその女性と結婚し、「よし! 父と同点に持ち込んだ」と思いました。
その後離婚し、離婚の2年後に私は行きつけのバーで出会った女性と再婚しました。その時の私は「公私問わずよろず絶好調」という運勢で、再婚した妻は「歯科医」でした。
いうまでもなく「歯」は父が以前いったカルシウムといった意味も持っています。父のカルシウム発言から18年。父の予言どおりとなり、これで一生父を超えられないと思いました。
実はもう一つ『ザ・占星術』に私の運勢に該当する記述がありました。「占いを勝手に勉強する」という内容です。読んでいて悔しくなりました。そのとおりでしたから。父は息子である私が自分から占いを勉強すると確信していたのか、今それを確かめようがありません。
私の場合、前述のように恋愛運は最悪ですが、それでも2回結婚しています。どの星座生まれであっても12年に一度、恋愛、結婚(パートナーシップ)などの幸運期がそれぞれ訪れ、開始から約1年続きます。
これは生まれつきの運勢の如何にかかわらず、木星による作用です。土星が厳しい先生なのに対して、木星は「優しい先生」です。
占星術を知れば運勢の悪さをこうしてカバーできる、もしくはひっくり返せるのです。
錢天牛が占う
2022年後半の「恋愛・結婚・家庭運」
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おひつじ座(牡羊座)・
おうし座(牡牛座)・
ふたご座(双子座)・
かに座(蟹座)・
しし座(獅子座)・
おとめ座(乙女座)・
てんびん座(天秤座)・
さそり座(蠍座)・
いて座(射手座)・
やぎ座(山羊座)・
みずがめ座(水瓶座)・
うお座(魚座) 錢天牛(せんてんぎゅう)
占星術師。個人鑑定の他、麻布十番「燦伍(さんご)」や西早稲田「極楽満月」で出張鑑定を行っている。父・先代錢天牛氏は、長年本誌の占い担当で、歯に衣着せぬ電報文のようなコメントで知られた。家庭画報本誌で「占星学徒の真価を問われる時」として阪神淡路大震災を予言。的中させ話題となった。
公式ブログはこちら>> 『家庭画報』2022年7月号 別冊付録「2022年後半の運勢を占う タロットと占星術」掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。