365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。
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輝くような黄色の花弁と大きな花心の茶色。このコントラストもヒマワリらしさのひとつ。これはロシアヒマワリより少し草丈が低く、2m程度の品種。都内の公園で咲いていました。■属科・タイプ:キク科の一年草
■花期:7月〜9月
■草丈:25〜300cm
世界中で愛される夏を象徴する花です
今日から8月。暑さが続く中でも咲く花を探すと、似たような黄色の花がたくさん見つかります。たしかにお日さま色の黄色の花は夏の気分によく合いますが、それらの花の名前、おわかりになりますか? そこで、今日から5日間は「真夏の黄色の花」を続けてご紹介します。まずは、夏の花の代表ともいえるヒマワリからスタート!
ヒマワリというと伸びた茎の先に大きな花を咲かせる姿を想像しますが、それはロシアヒマワリと呼ばれる種類で、大きなタネから搾られるオイルはヒマワリ油に、その搾りかすは家畜用の飼料に利用されます。ロシアやウクライナ、またペルーの国花となっていますが、原産地は北アメリカ。古くから原住民に食用作物として利用されていたそうです。
ヒマワリは英名では「サンフラワー」、仏名では「トゥルヌソル」または「ソレイユ」と、どちらの国でも太陽からイメージした名前で呼ばれますが、漢字の「向日葵」(ヒマワリ)も太陽に向かって咲く花という意味で、夏の日差しを跳ね返すような力強さは世界中の人々の共通認識なのだと感じさせられます。ロシアヒマワリは草丈が3mほどになり、よく「ヒマワリの迷路」に利用されます。最近では切り花向けの草丈が短い品種も豊富に出回っているので、個人邸の庭でもヒマワリをたくさん咲かせ、夏らしい景色を生み出してみてください。
ちなみにヒマワリの学名はHelianthus annuus(ヘリアンサス・アナス)で、春にタネまきして夏に花が咲いたらタネをつけて終わる一年草です。同じ属名のヘリアンサスには宿根草タイプもあり、そちらは明日詳しくご紹介します。
栽培の難易度
タネが大きく栽培しやすいので、お気に入りの品種をタネから栽培するのもおすすめです。タネまき適期は4月〜8月。8月にタネまきすると10月にヒマワリが楽しめます。タネをとりたい場合には、1茎1花で咲かせ、枯れた後もタネをとれるまでそのままにしておきます。花を数輪咲かせたい場合には、花が終わったら花茎のつけ根から切り取ります。
【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい ・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる 高梨さゆみ/Sayumi Takanashi
イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。