365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。
一覧はこちら>> レンゲショウマ
花径は3〜4cmほど。下向きに咲くなかで、カメラ目線に咲くレンゲショウマを見つけてパシャリと撮影。紫色のまん丸の蕾も愛らしい!■属科・タイプ:キンポウゲ科の宿根草
■花期:7月〜8月
■草丈:40〜100cm
真夏に咲く奥ゆかしい山野草に出会いたい!
おいおいご紹介しますが、キンポウゲ科にはなんでこんなに魅力的な花が多いのだろう、といつも思っています。今回ご紹介するレンゲショウマは、キンポウゲ科レンゲショウマ属。この属にはこの花しかない、という日本固有の1属1種の植物です。東北から近畿にかけてのやや冷涼な気候の土地で、林床など少し湿り気のある土壌で、夏は木陰になる場所に自生します。
岩手県にあるガーデンで初めてレンゲショウマを見たとき、ごく淡い紫色の、ロウ細工のような質感の花に魅了されました。ふんわりとした小さな花は、花柄から下向きに咲く花姿の奥ゆかしい風情に心洗われた気がしました。以来、夏に冷涼な気候の土地に出かけると、レンゲショウマがどこかで咲いていないか気をつけて探しています。山野草なので温暖地の住宅街ではなかなか見かけませんが、山野草の専門家に鉢植えなら温暖地でも栽培可能と教えてもらい、いつかは自分で咲かせてみたいと考えています。
レンゲショウマは漢字にすると蓮華升麻。花が蓮に、葉はサラシナショウマに似ていることが由来です。最近では斑入り葉やダブル咲きなども出回り、日本のみならず海外でも人気を集めています。なお、キレンゲショウマというよく似た名前の花がありますが、こちらはユキノシタ科の異なる花です。
栽培の難易度
強い日差しを受けると葉や花芽が傷むことがあるので、木陰などの明るい日陰に植えます。肥料を好むので、植えつけの際に元肥と緩効性肥料を入れ、春の芽出し後と花後に施肥をします。温暖地では鉢植えで栽培すると、夏の日差しを避けられる場所に移動ができてラクです。晩秋から冬の休眠期には、凍結しない場所に置いてください。
【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい ・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる 高梨さゆみ/Sayumi Takanashi
イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。