365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。
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暖色系の複色の組み合わせがすてきなジニア・ハーゲアナ。小さな花はシャツのボタンにしたくなるかわいらしさ!■属科・タイプ:キク科の一年草
■花期:6月〜10月
■草丈:40〜50cm
しゃれた複色が魅力のメキシコヒャクニチソウ
ジニアにはさまざまな種類があり、どのタイプも夏によく似合う花色だと思うのですが、なかでも個性的な種類がハーゲアナです。和名のメキシコヒャクニチソウのほうが通りがよいかもしれません。ジニアはメキシコを中心に南北アメリカを原産地としますが、ハーゲアナにだけなぜ和名に「メキシコ」が入っているのか? 調べてみるとメキシコ合衆国とアメリカ合衆国の国境沿いに位置するティファナあたりが原産地とされているのが理由のようです。名前にはっきりメキシコと入っているせいか、この花を見るとなぜかリズミカルな音楽が流れる陽気なイメージを勝手に想像してしまうのですが…。
私はこのジニア・ハーゲアナが大好きで、ずっと眺めていても飽きることがありません。花径は大きくても4cm程度ですが、何しろ花色が個性的で、しかも同じ色が一つとして見当たりません。黄色やオレンジ色、赤などのビビッドな色の複色で、その組み合わせのお洒落なこと! どこかエスニックな雰囲気でありながら、大人っぽい印象も感じさせるハーゲアナは、とてもファッショナブルな花だと感じています。
園芸品種としては‘ジャジー’と‘アズテック サンセット’が出回りますが、目を凝らして見ても、どこに違いがあるのかわからず…。おそらくタネから育てた方でないと品種を断言はできないと思います。品種名まではわからずとも、ハーゲアナという種類名を知っていれば十分。もう一つメキシカンジニアという別名もわかりやすいのでぜひ覚えておいてください。
栽培の難易度
ジニア・ハーゲアナはポット苗での出回りが少ないので、タネから栽培するのがおすすめです。タネまきの適期は4月〜5月ですが、6月〜7月にまいて9月くらいから開花を楽しむこともできます。夏の一年草にはタネからでも比較的容易に栽培できるものが多く、ジニアもその一つ。ぜひトライしてみてください。苗は日当たり、風通しがよい場所に植え付けます。花が終わったら花茎の根元から切り戻します。水揚げがよいので切り花にもおすすめです。
【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい ・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる 高梨さゆみ/Sayumi Takanashi
イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。