カンティーナ・マラミエーロ Cantina Marramiero
遠くにグランサッソ山塊の山並みを眺める豊かなブドウ畑。最新技術を駆使して、感動をもたらすワインを目指す
アブルッツォのワインは近年、イタリアのみならず、国際的な品評会でも次々と入賞するなど、注目を集めています。アブルッツォという土地の特性(テロワール)、個性豊かな在来品種、先進的な取り組みを行う生産者たちの台頭などが評価されているのです。
「カンティーナ・マラミエーロ」も新世代的なワイン造りに取り組むワイナリーのひとつ。オーナーのエンリコ・マラミエーロ氏は、「人と自然への畏敬の念を忘れずに、伝統を大切にし、環境を守るために最新のテクノロジーを駆使する。それが私たちのミッションです」と言います。
オーナーのエンリコ・マラミエーロ氏。父ダンテ・マラミエーロ氏の先見性を受け継ぎ、自然を守り、同時に優れたワインを目指す生産姿勢を貫いています。「私たちにとって未来とは、“根”を慈しみ、その“果実”を得ること。私の父は、『仕事を好み、そして愛しなさい。そうすれば信頼と平穏と幸せを見つけることができる』と言っていました。その教えを胸に、最高のワインを生み出すための努力を続けています」
アブルッツォでは伝統的な棚仕立てではなく、垣根仕立てでブドウを栽培。土地特性を最大に引き出すためにこの方式を選びました。カンティーナ・マラミエーロが本拠を置くロシャーノという土地は、「トラットゥーロ」と呼ばれる、季節ごとに移動する羊たちの通り道があり、オリーブ畑、ブドウ畑、樫の木の森がパッチワークのように入り組んだ、豊かな農地として知られています。そのほかにも周辺にいくつかの農地を所有していますが、栽培するブドウの苗木はすべてこの本拠地で育てられたもの。そして、最新設備を整えた醸造所、熟成庫も同地に構えています。
バリック樽を使った熟成では、時とともに中身が蒸発してできる空間がカビの発生源になることがあるので、樽の上部の蓋が常にワインに接しているように樽を少し回転させます。例えば手前の樽は、まだたっぷりワインが入っていて樽の内部に隙間がないので、正位置に置いていますが、後方の樽は月日がたってワインが蒸発しているので、少し傾けて蓋がワインに浸っている状態にしています。造り手の細やかな仕事ぶりが伺えます。「ステンレスタンクで徹底した温度管理のもとに行う醸造方法のほかに、エネルギー消費ゼロを実現したガニメデ(ギリシャ神話の最高神ゼウスの酒の酌をしたトロイの美少年)と名付けられた循環型の発酵機械を採用するなど、ブドウの性質や目指すワインのスタイルに応じて使い分けます」
フラッグシップワインのひとつ、インフェリ・モンテプルチアーノ・ダブルッツォ・リゼルヴァ。ガニメデを用いた発酵ののち、ステンレスタンク、バリック樽、ボトルで熟成。なめらかなタンニンと豊かな果実味のフルボディタイプ。ブドウ栽培においても、オゾン生成機を利用してブドウにオゾンと水を散布することで病原菌の発生を防いだり、センサーやドローンを使って気温・湿度を細かくチェックして、必要な手当てのタイミングを見計らったり。自然のリズムを一番に考えた技術を用いて、“責任ある農業”を実践しているのです。
直営ショップでは、ワインのほか、ブドウの搾り汁を煮つめて熟成させたデザートワインのヴィーノ・コット、グラッパ、在来品種をブレンドしたオリーブオイルも販売。こうした努力が実を結び、カンティーナ・マラミエーロのワインは、様々な品評会で入賞し、著名なワインガイドでも高い評価を得ています。ワイナリー内の直営ショップの壁には数々の賞状が飾られていて圧巻。たゆまぬ努力を続けるカンティーナ・マラミエーロのワインはこれからも進化し、アブルッツォワインの可能性を広げていくことでしょう。
カンティーナ・マラミエーロ Cantina Marramierohttps://marramiero.wine/Contrada Sant’Andrea, 1 Rosciano (PE) Italy
TEL. +39-085-8505766
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