写真/PIXTA買い物に迷ったら「ヤマグチの法則」を使ってみて
では、これからジュエリーを買おうと思われている方は、このヤマグチの法則を知ってどう利用すればよいのでしょう。
簡単なことですよ、どうも楽しくなさそうなオヤジのいるお店、それとほぼ同類の社員がヘラヘラといるお店、個人的にあまりお近づきになりたくないお客様がいつもいるお店、そうした宝石店で買い物をしてはいけないということです。
そうしたお店では、ジュエリーそのものを見る必要すらありません。なぜなら、あなたがそのように感じる宝石店に、あなたが欲しくなる、あるいはあなたに似合うジュエリーがあるということは、95%以上ありませんから。
(100%と言わないのは、オヤジがひょんなことから、まったく分からずに、たまたま、良い商品を預かることがあるからです)
商品を見なくてもわかること・気付くことに気を配る以上のことからもおわかりの通り、「買うべきジュエリー」というものは、たとえ商品そのものを見なかったとしても、ある程度は判断がつきます。
次回、詳細に書きますが、ジュエリーと言う商品は急いで買うような商品ではありません。買わなくとも腐る訳じゃなし、じっくりと見定めてから買うべき商品なのです。
自分が好きになれない雰囲気のお店なら、見定めることすらしたくないと思うのが普通です。楽しんで、十分に理解して買う、それが正しい買い方なのです。
ですから、ジュエリーという商品の良し悪しで判断する以外に、意外と普通のことのなかに買うべきお店を判断できるヒントが潜んでいる、ということを知ってください。それを表したのが、ヤマグチの法則なのです。
次回、9回目は得をする客になる方法を書きます。
山口 遼/Ryo Yamaguchi
宝石・宝飾史研究家
大学卒業後ミキモトに入社。退社後はアンティーク・ジュエリーの研究と販売に従事。真珠および宝飾品史の専門家として、新聞や雑誌に数多く寄稿。ジュエリーに関する著書多数。