秋の七草・フジバカマには魅力的な仲間が！ 涼しげなブルーの「セイヨウフジバカマ」

セイヨウフジバカマ

淡い青紫の花が涼しげな青色フジバカマと呼ばれる人気品種。日本に自生するフジバカマの仲間で、花はアゲラタムとよく似ています。

■属科・タイプ：キク科の宿根草

■花期：7月〜9月
■草丈：50〜100cm

フジバカマには魅力的な仲間がいます

秋の七草に数えられるフジバカマは、学名のユーパトリウム・ジャポニカからわかるように日本に自生する花です。

万葉の時代から親しまれてきましたが、河原や、やや湿った草原など、フジバカマの好む環境が少なくなったことから、現在ではなかなか自生している姿を見かけることができなくなっています。環境省のレッドリストでは準絶滅危惧種に指定され、京都府などその保存に力を注いでいるところもあります。

ご近所の花散歩では出会う機会が少ないので、今回はフジバカマの仲間のユーパトリウムをご紹介します。和名のセイヨウフジバカマのほうが通りがよいのですが、ユーパトリウムで呼ぶ場合も多いので、どちらも覚えておいていただけたらと思います。

セイヨウフジバカマには園芸種が多くあり、観光ガーデンでも、また個人邸の外周りの植栽にもよく利用されます。なかでも人気の高い「青色フジバカマ」は、日本に自生するフジバカマによく似た繊細な花で、涼しげなブルーの花をたくさん咲かせます。

花の雰囲気はアゲラタムに似ていますが、以前の記事でご紹介したように、葉の形が異なり、草丈も少し高くて風になびくような草姿をしています。夏から秋にかけてはブルーの花がそれほど多くないので、ガーデンでは大活躍します。

さらに最近人気なのがユーパトリウム‘チョコレート’という品種。花のない時期にはシックな葉色がカラーリーフとして活躍し、夏になるとまっ白な小さな花をたくさん咲かせます。花壇にこの花が加わると、ぐっと大人っぽい雰囲気になるので、プロのガーデナーさんがこぞって利用する品種です。

秋の七草のフジバカマに出会えずとも、魅力的な仲間たちには散歩道でたびたび出会えると思いますよ。


コニファーやグラス類の中で咲く青色フジバカマ。ナチュラルな雰囲気で、夏の暑さもいっとき忘れられそう。

栽培の難易度

暑さに強く、耐寒性もある丈夫な宿根草です。日なた、または明るい日陰が適し、植えつけの際に元肥を土に混ぜておけば、施肥の必要がありません。地植えの場合は土壌がからからに乾いたとき以外は基本的に水やりしなくても大丈夫です。草丈が高くなってきたら切り戻しを繰り返すと、倒伏しにくいコンパクトな株となって秋まで楽しめます。

【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい ・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる