軽井沢の秘密 第7回(全25回) 恵まれた自然の中で、趣味や「森の生活」を愉しもうとする優雅なライフスタイル、食道楽をうならせる美味、軽井沢人だけが知るスポットなど、知られざる軽井沢の秘密に迫ります。
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席に着いたお客さまには浅井さんから“お近づきのお印に”食前酒代わりの一献を差し上げるのが「無二」スタイル。今日はレモンの花の香りで。軽井沢日本料理界の新潮流を目指して
店内に入ると、木々の力強い緑が目に飛び込んできます。ピクチャーウィンドーからの湯川沿いの風景が「何より料理にインスピレーションを与えてくれます」と浅井恭平さん。
2021年初夏に開業したこの店の若き店主は、東京の人気店「恵比寿くろいわ」で厨房の主軸を担う傍ら、茶道や華道の勉強も重ねた努力家。
軽井沢の地においても、地元の食材をはじめ、風土や工芸、宿場町としての歴史文化に至るまで幅広く探求し、日々の料理に反映させています。
「景色をお手もとに取っていただく」八寸はお客さまからも大好評。越冬じゃがいもの酒盗あえ、松葉で燻製したホタルイカとうどなど。「例えば、雪の下で一冬越したじゃがいもの甘味、寒風の中一夜干しにした魚介のうまみ、軽井沢塗の折敷や自分で編んだあけびの籠――。さまざまな角度からアプローチした“軽井沢らしさ”をもっと極めて、お客さまにどれだけワクワクしていただけるか。この地の日本料理に新たな風穴を開けられればと思います」(浅井さん)
下のフォトギャラリーで詳しくご紹介します。 Information
軽井沢くろいわ 無二
長野県北佐久郡軽井沢町長倉3348-5
- おまかせコース1万円~(税・サービス料別) 要予約
撮影/角田 進 取材・文/露木朋子
『家庭画報』2022年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。