極上のあんみつ 第10回(全16回) 涼をもたらす見た目に、体に沁みる優しい甘さ。盛夏にぴったりの大人の甘味をお届けします。
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あんみつの主役!餡を味わう
餡に自信あり! 職人の思いと技が、甘味の要である餡の味を作り上げています。そんな自慢の餡を主役にしたあんみつ。
おくどさんで炊いたあんみつのための餡
明治16(1883)年の創業以来、昔ながらの味とあっさりとしたおいしさが評判の「中村軒」。寒天、餡、白玉を盛り合わせたあんみつは、一つ一つの素材や作り方を追求し、シンプルでありながらバランスのとれた深い味わいを大切にしています。
なかでも餡は、厳選した十勝産のあずきを用い、おくどさんにクヌギの割木を燃やしながらじっくりと炊き上げ、さらに余熱であずきのおいしさを引き出したもの。冷やした寒天や柔らかくて弾力のある白玉に合うように、通常の餡とは材料の配合や豆の硬さを変え、甘めで柔らかなつぶ餡に仕上げています。
桂離宮の南東に位置する和菓子店。2フロアからなる茶店は座敷1室もある。あんみつはテイクアウトも可能。 撮影/内藤貞保 取材・文/西村晶子
『家庭画報』2022年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。