365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。
一覧はこちら>> ハツユキソウ
赤いケイトウや白いセンニチコウなど、秋の気配を感じさせる花とともに植えられたハツユキソウ。花よりもむしろ際立つ白さに目が留まります。これは‘氷河’という品種。■属科・タイプ:トウダイグサ科の一年草
■花期:6月〜10月(葉の観賞期間)
■草丈:50〜70cm
雪が降ったかのような白斑が美しいリーフプランツ
本日は花ではなく、花壇の脇役として活躍するカラーリーフの一つをご紹介します。葉っぱばかりの写真で少し地味ですが、花にも劣らぬ魅力があり、プロのガーデナーさんにはとても人気のリーフプランツです。まず、まだ暑さが残るこの時季に耳にしただけで涼しさが感じられるハツユキソウという名前が素敵。さらによく利用される品種の名前が‘氷河’ですから、名前がもたらすクール感は相当なものだと思います。
落ち着いた緑色にくっきりと入る真っ白な斑、そのコントラストがとても美しく、花壇でもよく目立ちます。花と花の間に、クッション的な役割で植えられることが多いのですが、与えられた任務をこなしつつ、自身も美しくあるハツユキソウは夏〜秋の花壇の名脇役だと思います。「あれ? たしかそんな紹介が前にもあったような…」
そう気づかれた方、正解です。
8月14日にユーフォルビアの‘ダイヤモンドフロスト’と‘グリッツ’で同様の紹介をしました。じつはハツユキソウもユーフォルビアの仲間で、学名をユーフォルビア・マルギナタといいます。ユーフォルビアには草姿がまったく異なる種類が本当に多く、しかもそのいずれもが個性的で、知れば知るほど魅力的な植物だと感じています。
ハツユキソウは原産地の北米では低木となりますが、耐寒性が弱いため、日本では一年草扱いとされます。葉の観賞期間は長く、その間にごく小さな白い花も咲かせます。外周りの植栽に利用しているお宅をよく見かけますが、白斑のおかげで植栽が明るく見える効果があると思います。
栽培の難易度
リーフプランツなので日陰でもよいと思われがちですが、日照が足りないと白斑がくっきりと出ないので、日なたに植えるのがおすすめです。直根性で移植を嫌うため、植えつけの際に、ポットから抜くときは無理に引き出さず、ていねいに扱います。植えつけ時に元肥を加えておけば、その後の追肥は必要ありません。
【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる 高梨さゆみ/Sayumi Takanashi
イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。