文字盤で眼光鋭く佇む、最高峰の美術工芸“侍”
時計「RM 47 トゥールビヨン」(TZPブラックセラミックス×YG×カーボンTPT®×Ti、縦50×横42.7ミリ、ラバーストラップ、手巻き)1億3640万円/リシャール・ミル“既成概念を超えた21世紀の時計作り”を掲げ、50歳でブランドの創設を決心したリシャール・ミル氏。
自身の名を冠し2001年にスイスで誕生したブランドは、F1や航空宇宙産業で使用される最新技術や素材を使用し、重厚ながら軽量、そして息をのむ芸術性を宿したタイムピースで、瞬く間にトップブランドの仲間入りを果たしました。
約4年の歳月をかけて完成したこちらは、ブランドが初めて日本の伝統文化と武士道から想を得てデザインしたもの。トゥールビヨンムーブメントを保護する、刀を構えた侍はイエローゴールド製の11個の部品からなります。
彫り職人、ピエール=アラン・ロズロン氏が16時間以上かけ、肉眼では見えないほどの精緻な手彫りを施し、さらに彼の妻であるヴァレリー・ロズロン氏が9時間かけ塗装。“時計”とひと言でくくることのできない至宝が、ブランドの真髄を物語ります。
随所にちりばめられる日本への深い造詣を表した意匠
江戸・元禄年間の赤穂義士による討ち入りで知られる浅野家。その家紋が武士道の象徴として、6時位置と兜の吹き返しに緻密に刻まれています。
リューズには、季節の移ろいの優雅さと儚さを表す紅葉。伝統と文化への敬意が生んだ美しきマスターピースです。
表示価格はすべて税込みです。
撮影/ケヴィン・チャン
『家庭画報』2022年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。