書・文=コシノジュンコ(デザイナー)
“極”という一文字、極みというのは、これひとつしかない、という究極のことだと思うんですよね。
追求する、徹底する、とことんやる。極まったものは、余分なものは一切なくて、シンプルで、洗練された美しさがある。流行ではなく、時間や空間を超えて永遠にいい。理屈じゃないと思います。
極みは、偶然でも、どこにでもあるものでもなく、長年積み重ねた、研究した結果の整理されたもの。だから時間がかかりますよね。一発では決まらない。
仕事でも料理でもなんでも、とにかく自分自身が積み上げたものでないと通用しません。人にない、徹底的なオリジナリティであり、自分の中から生まれたものでないと。
“極”は理想です。私もずっとそうなれたらいいなと、目指しているのです。
撮影/本誌・大見謝星斗
『家庭画報』2022年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。