365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。
一覧はこちら>> セイヨウアサガオ
セイヨウアサガオ‘ヘブンリーブルー’。秋の澄んだ青空に混じりそうなほど美しい空色は本当に魅力的です。ガーデンでパーゴラ仕立てで咲いていました。■属科・タイプ:ヒルガオ科の一年草
■花期:8月〜11月
■草丈:3〜10m(つるの長さ)
ソライロアサガオは秋にピークを迎えます
日本の夏を象徴する花の一つがアサガオです。古くから親しまれているアサガオは中国原産で、奈良時代に渡来したといわれています。アサガオにはいろいろな種類があり、熱帯アメリカ原産のアサガオは、日本ではセイヨウアサガオと呼ばれています。
美しいブルーの花を咲かせる品種が多くあることから、ソライロアサガオとも呼ばれます。セイヨウアサガオは生育力がとても旺盛で、品種によってはつるを10mくらい伸ばします。また、葉が大きく、よく茂ることからよくグリーンカーテンに利用されます。ちなみに日本のアサガオは葉が小さく、日よけとして利用するほど葉が茂らないので、グリーンカーテンを仕立てる際には間違えないようにしてください。
ソライロアサガオと呼ばれるだけあって、そのブルーの花は心が透くような美しさです。花色に魅了され、栽培するお宅も多いので、散歩の途中で見かけることもたびたび。日本のアサガオは7月から咲き出しますが、セイヨウアサガオは咲き出しが遅く、8月中旬に入ってからです。これはセイヨウアサガオが短日植物で、日の入りが早くなり、日照時間が短くなる頃に花芽形成が促進される性質のためです。
今年は7月下旬から咲き出しているお宅も見かけましたが、咲き出しが早いから、花が終わるのも早いというわけではないのでご安心ください。セイヨウアサガオは霜が降りる頃まで長く楽しめるのも大きな魅力です。ブルーが遠めにちらりと見えただけで、セイヨウアサガオかな?と小走りで向かってしまうほど、セイヨウアサガオの花色は魅力的。秋深くまで、ブルーを追いかける花散歩が続きそうです。
数年前、中央自動車道の諏訪湖サービスエリア(下り)で、セイヨウアサガオ‘クリスタルブルー’の美しいカーテンに出会いました。カーテンの向こうに見えるのは諏訪湖です。栽培の難易度
タネから栽培する場合は、5月〜6月がまき適期です。苗は6月〜7月に多く出回ります。日当たり、風通しのよい場所を好みますが、明るい日陰でも成長します。生育力が旺盛なので、広めのスペースを確保し、ネットやトレリスなどつるをからませる仕立てを必ず用意します。花期が長いので、月に1回くらい緩効性肥料を与えます。
【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる 高梨さゆみ/Sayumi Takanashi
イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。