加齢以外にも原因はさまざま
早めの治療で悩みを解決
クレアージュ エイジングケアクリニック総院長
浜中聡子先生北里大学医学部卒業。女性薄毛治療歴14年。国際アンチエイジング医学会専門医、米国抗加齢医学会専門医、米国先端医療学会専門医などの資格を取得。女性の頭髪に関する悩みや更年期・女性ホルモンにまつわる悩みを専門分野とし、精神と身体の両面からケアすることを得意とする。2022年7月、クリニック内にがん治療や感染症による後遺症によって引き起こされた脱毛に悩む女性を対象とする「後遺症外来」を開設予定。TEL:03(5224)6661 URL:https://www.womenshealth-tokyo.com/加齢のほかに疾病や体質、生活習慣が原因の場合も
女性の薄毛には、毛髪が全体的に薄くなる「びまん性脱毛症」を筆頭に、出産後に起こる「分娩後脱毛症」、頭皮環境の悪さが原因の「粃糠性(ひこうせい)脱毛症」、そして何の前触れもなく一気に髪が抜け落ちる「円形脱毛症」など、さまざまな種類があります。
これらが発現する大きな要因は頭皮の血流の低下と女性ホルモンの減少ですが、ほかにも遺伝的な要素や女性特有の病気、治療の副作用などから起こる薄毛もあります。
つまり、女性の薄毛は単純に加齢による発毛力の低下だけではなく、生活習慣や体質、環境などが複雑に関係しているのです。
女性の薄毛の原因
血流の低下と女性ホルモンの減少を2大要因に、環境要因などが複合的に絡み合い生じるのが女性の薄毛。今回ご紹介する3名の症例も、加齢や病気治療の副作用、婦人科系疾患や生活習慣によるものなど、原因はそれぞれ異なります。
そのため、専門医療機関ではまず丁寧なヒアリングを行い、食生活や運動習慣、日々の洗髪などについての生活改善を提案。必要に応じて他科との連携を図りながら、適切な発毛治療を行っていきます。
外用薬を中心に、発毛治療を通して健康状態を底上げ
専門医療機関における女性の発毛治療の方法としては、基本的に頭皮の血管を拡張する外用薬(高濃度ミノキシジル製剤)を1日1回頭皮に塗布して血流を促し、毛根にある毛母細胞を活性化します。
さらに症状やライフスタイルに合わせて内服薬やサプリメントを組み合わせ、全身の健康状態を向上させながら自然な発毛を促します。
多くの場合、治療を始めて半年ほどで約8割のかたが効果を実感しています(クレアージュ エイジングケアクリニック調べ)。その後、さらに効果が表れ、1年〜1年半程度で治療効果の頭打ちがきたら、以降は必要最低限の量で治療を継続します。
治療を中止すると加齢変化がゆっくりと出てくるため、抜け毛が増えていきますが、誰にでも訪れる加齢変化を緩やかにすることが発毛治療の目的です。
薄毛は基本的に放置すると進行してしまうため、若々しさをチャージするためにも、女性の薄毛治療は早めが肝心です。
髪や頭皮がベタつく、ふけやかゆみが気になる、頭皮が硬くなったという症状は薄毛が進行するサインといえます。そして、以前より分け目が目立つ、髪質が変わってきたなど、少しでも毛髪の状態に変化を感じたら専門医療機関を訪ねてください。