365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。
一覧はこちら>> オキナワスズメウリ
実の大きさは2~3cm。つるが長く伸びるので、グリーンカーテンにもおすすめです。深く切れ込みの入る葉も魅力的。■属科・タイプ:ウリ科のつる性一年草
■花期:7月〜8月
■つるの長さ:5〜10m
スイカみたいなかわいらしい実がなります
スズメウリにはさまざまな種類がありますが、日本でよく栽培されているのがオキナワスズメウリです。名前からわかるように沖縄で自生している種類ですが、とてもかわいらしい実をつけることから、数年前から大人気となり、一時はタネが不足気味になるほどでした。緑色に白い縞が入るまん丸の実は、まるで小さなスイカ! でも、それだけではないんです。この緑色の実は徐々に赤みを帯びて、最終的には真っ赤に白いすじが入った状態になります。ドライにしても色が褪せずに残るので、リースやガーランドにして楽しむこともできます。
生育力が旺盛なので、グリーンカーテンにも向き、しかもかわいらしい実が収穫できるのですから、人気になるのも当然ですね。ちょうど今頃はグリーンの実がなっている時期です。グリーンのまま摘み取っても赤く色づきます。
沖縄で自生するほどですから、暑さには強い性質で、タネからの栽培も比較的容易にできます。来年のグリーンカーテン計画に、ぜひ加えてみてください。栽培するお宅が増えると、散歩の途中でかわいらしい実がどんどん膨らんでいく過程も楽しめるのでとてもありがたいです。
栽培の難易度
発芽温度が20℃以上なので、タネから栽培する場合は、4月の後半くらいにタネまきします。5月の中旬から苗も出回ります。つるがかなり長く伸びるので、トレリスやグリーンカーテン用のネットなどつるを絡めるための仕立てが必要です。花が咲くのは7月〜8月で、花後に実がなります。楕円形の実はその後に膨らんで丸くなるので、丸くなってから収穫します。植え付けの際に元肥を施しておけば、追肥の必要はありません。
※オキナワスズメウリは観賞用です。実には毒性があり、食べられません。
【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい ・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる 高梨さゆみ/Sayumi Takanashi
イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。