【作り方】
6:甘鯛のポワレを作る。甘鯛の水気を拭き取り、鱗を逆立てながら、ところどころを間引く(写真)。鱗がすべてついたままだと、身の厚みに対して鱗が多すぎ、ハーブのソースに対しても重たい印象になるので、間引くことでバランスをとる。焼く直前に、両面に軽く塩をする。
7:フライパンにたっぷりのオリーブオイルを入れて中火にかけ、熱くなったらフライパンを傾け、オイルが溜まったところに甘鯛の皮目を下にしておく。
8:しっかり焼きたいのは鱗ではなく皮なので、たっぷりの油で、皮の下の皮下脂肪を焼くイメージ。そうすると、皮が持っている脂が炙られて、鱗も立ち上がる。
9:身に4割がた火が通ったところで裏返す。この時点で鱗がしっかりと焼けているようにしたい。皮目に油をかけ(写真)、上下から高い温度を保ちながら、身の中の熱の流動性を高める。
10:カリッと焼き上がったら、キッチンペーパーを敷いた皿にとり、焼く間に流れた分の塩を皮目に軽く振る。盛り付けからテーブルに置かれるまでの約3分で、中心部分はやや繊維が引っ張り合うが、ほろっと身が崩れるくらいの火入れになるのが理想。
11:器に5のソースを敷いて、アンディーヴのソテーを置き、10の甘鯛をのせる。
代々著名なシェフを輩出してきた老舗フレンチ「銀座レカン」。本書は6代目料理長・高良康之氏(2017年9月から料理長は渡邉幸司氏)による「基本のフレンチ」のレシピブックです。素材も身近なシンプルなものを用いながら、伝統に培われたフレンチの基礎をひと皿ひと皿、丁寧に作り、味付けのコツやテクニックの極意を語ります。工程写真も多数。誌上スーパーシェフレッスンという一冊でまさに保存版。
高良康之(著)
定価:本体1,800円+税