365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。
一覧はこちら>> キバナコスモス
オレンジ色や濃い朱色のキバナコスモスの群生。これだけ華やかな花色ですから、遠目にもよく目立ち、「キバナコスモスだ!」とすぐに気づきます。■属科・タイプ:キク科の一年草
■花期:6月〜10月
■草丈:30〜100cm
秋を代表する黄色&オレンジ色です
もうコスモスが咲き出しているエリアもありますが、今回は先にピークを迎えるキバナコスモスを取り上げます。キク科コスモス属の花ですが、黄色系の花色がコスモスとは異なる印象を与え、葉もコスモスより幅広いので、よくマリーゴールドと間違えられることもあります。暑さに比較的強く、夏の花壇でも活躍しますが、秋に咲いているのを見かけると、夏には少し派手に感じられた黄色やオレンジ色が、ぐっと深みを増し、秋の空気感によく似合う花色に感じられます。
初めは黄色の花色しかありませんでしたが、最近ではオレンジ色や赤に近い朱色なども出回るようになり、花色ミックスで植えるときれいなグラデーションが楽しめます。すっきりした一重の花のほかに、ボリューム感のある半八重咲きの品種も登場しています。
養分の少ない痩せ地でも元気に育ち、こぼれダネで増えて空き地で群生しているのをよく見かけ、丈夫な性質の花だとあらためて感じます。夏の間はマリーゴールドなどと一緒に花壇を華やかに彩り、コスモスが咲き出すと、各地の名所で大規模な群生シーンに利用され、と幅広い活躍ぶりを見せてくれる花です。
栽培の難易度
日当たり・水はけ・風通しのよい場所を好みます。植えつけ時に元肥を施せば、その後の追肥は必要ありません。地植えの場合は水やりは基本的に必要ありませんが、夏場に雨が降らない日が続き、枝がしおれてくるようなときは、株元にたっぷり水やりします。開花期間が長いので、終わった花がらをこまめに摘み取ると、次の花の開花を促すと同時にきれいな草姿を維持できます。
【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる 高梨さゆみ/Sayumi Takanashi
イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。