他の花とも合わせやすく、秋の花壇で活躍。深い群青色が美しい「コバルトセージ」

コバルトセージ

美しいコバルトブルーに心が惹かれます。茎の繊細さにもご注目を！

■属科・タイプ：シソ科の宿根草
■花期：8月下旬〜11月

■草丈：60〜100cm

美しいコバルトブルーにひと目惚れ

学名はサルビア・レプタンス。サルビアの仲間にはブルー系の美しい花を咲かせる種類が多くあり、この連載でもいくつかご紹介してきましたが、なかでも個人的にいちばん美しい青花ではないかと思うのが、コバルトセージです。

コバルトブルーというのは、酸化コバルトと酸化アルミニウムを主成分とする青色顔料で、絵の具や陶磁器の着色料に利用されます。デンマークの陶磁器ブランド「ロイヤルコペンハーゲン」の白地に映える美しい青もコバルトブルーの1種、と聞けばその色が連想できると思います。

コバルトセージの花色は自然が生み出した群青色。近くで愛でていると吸い込まれそうなほど深みがある花色だと感じます。サルビアには花形に違いがありますが、コバルトセージの花形は、以前ご紹介したボッグセージやサルビア・アズレアに似た、花弁の幅か広いタイプ。花色がより目立つので、遠目に見ても美しい青花が咲いていることがわかります。

夏の終わりから秋にかけて咲くので、この時期の観光ガーデンでは群生させた見応えのある景色が楽しめます。また、コバルトセージは枝が細く、草姿が全体的に華奢な印象のため、他の花と合わせやすいという利点もあります。個人邸の外周りなどでも利用され、秋の花壇でひときわ冴えたブルーで存在感を示します。心惹かれる魅力的な青花を探しに、ぜひ花散歩にお出かけください。


群生するコバルトセージ。花一つひとつは小さいながらも見応えがあるシーンです。

栽培の難易度

日なたに植えてやや乾燥ぎみに管理します。植えつけ時に元肥を施せば、その後の追肥は必要ありません。翌年以降は春に新芽が出てきたら、緩効性肥料をまきます。草丈が高くなるので、倒伏防止に支柱を立てておくのがおすすめです。8月下旬に小さな蕾が見えてきたタイミングで、草丈を抑える目的の摘芯を兼ねて3回くらい摘むと花数がぐんと増えます。

【難易度】
★　容易・初心者向け
★★　標準・初級〜中級者向け
★★★　少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★　難しい・上級者向け
★★★★★　栽培環境が限られる