常温で長期保存が可能な紙パック製品は備蓄の強い味方。防災のための備蓄術を身につけましょう
今は、防災といっても地震だけでなく、台風による水害、大雪などの自然災害とさまざまなリスクへの備えが必要です。また、感染症の拡大なども加わり、まとめ買いへの需要が高まっています。しかし上手に備蓄をしないと思わぬフードロスに繋がってしまうことも。SDGsの観点からも適切な備蓄は大切です。
今回は、料理研究家で防災食&備蓄アドバイザーでもある島本美由紀先生に備蓄のコツを伺いました。「大切なのは日常使いできる食品で備蓄をすること。災害だけでなく家族の発熱や看病で買い物ができない日にも対応できて役立ちますよ」。(島本美由紀先生)
料理研究家・防災士 防災食&備蓄アドバイザー 島本美由紀先生誰もがマネできる簡単で楽しい暮らしのアイデアを提案。食品ロス削減アドバイザーとしても活動し、ラク家事アドバイザー、食品保存&冷蔵庫収納アドバイザー、防災士の肩書を持つ。令和3年消費者庁主催の食品ロス削減推進大賞審査で審査委員会委員長賞を受賞。テレビや雑誌、講演会を中心に多方面で活躍。『もしもに備える!おうち備蓄と防災のアイデア帖』(パイインターナショナル)など著書多数。
9月と3月を防災の見直し月間に
「毎年9月と3月を『防災・備蓄を見直す月』にして定期的に見直しましょう。半年に1回、賞味期限や必要なものが足りているかを確かめたり、手をつけたことがない防災食は一度食べてみるといいですね。
賞味期限切れになった防災食の多くは廃棄され、そのフードロスが最も多いといわれています。災害用に5年持つカレーなどもありますが、食べ慣れていないと使わず捨てられてしまうことが多いので、『いつも食べているもので長期保存できるものを選ぶ』という考え方に切り替えましょう」。(島本先生)
例えば、味の濃いレトルトソースは災害時にそのまま食べるとのどが渇いてしまうことも。食べ慣れていなければ、災害用として買う量は減らしてOK。その分、常温保存できる豆腐や切り干し大根などの乾物を使って簡単な副菜が作れるので、あっさりとおいしく食べられるものを加えましょう。