ハレの日のお赤飯
古代の米は、南方からやって来たもち米の系統にあたる赤米などが主流でした。「赤」「朱」「丹(に)」とさまざまに表記されるアカは、古くから邪気を払う色、清められた色としても用いられてきました。時代が流れ、日常的な主食が消化しやすいうるち米へと変わっても、ハレの日に登場するのは「赤く」染めた染飯(そめいい)=お赤飯です。小豆ではなく、ささげを使用するのが、近茶流のスタイル。「煮ている間にパンクしませんし、色も美しく出ます。小豆よりも扱いやすいんですよ」と教えてくださいました。(2007年10月号)
赤飯材料(作りやすい分量)と作り方
(1) ささげ大さじ5は水洗いをして鍋に入れ、水2カップとともに火にかける。沸騰して少し煮汁に色がついたら煮汁を一度捨て、渋きりをする。再び2 1/2カップの水を注ぎ、煮汁が黒っぽい赤色になるまで、中火以下の火力で煮る。
(2) ボウルに盆ざるをのせて(1)をあけ、ゆで汁とささげに分ける。
(3)ゆで汁(色水)を玉じゃくしで十数回すくい上げて、ボウルに落とすようにして汁返しをし、鮮やかなワイン色にする。
(4)鍋にささげを戻し、2 1/2カップの水を加えて中火にかけ、あくをすくいながら柔らかくなるまでゆで、汁ごと一晩おく。
(5)(3)の汁を冷まし、といだもち米3カップを浸して一晩おき、赤く染める。
(6)水気をきったもち米とささげを混ぜて、黄飯と同様にふたをして蒸す。途中で4~5回もち米をつけた色水で打ち水をし、箸で全体を返しながら40分ほど強火で蒸して、盤台にあける。
(7)小鍋に黒ごま大さじ1を入れて焦がさないようにいり、火を止めて塩小さじ1を加え、余熱で混ぜる。
(8)器に赤飯をよそい、(7)をふる。