“死”という別れに直面した友人からの頼みがきっかけとなっている2作品。
『プアン/友だちと呼ばせて』
© 2021 Jet Tone Contents Inc.All Rights Reserved. 配給:ギャガ『プアン/友だちと呼ばせて』は、巨匠のウォン・カーウァイ監督が心酔してオファーしたタイのバズ・プーンピリヤ監督の最新作である。
題名の「プアン」とはタイ語で友だちという意味。物語はニューヨークでバーを営んでいる“ボス”に、タイ在住の友人“ウード”が「死ぬ前の自分の頼みを聞いてほしい」という電話をかけてきたことから始まる。
余命宣告を受けたウードのもとにボスはかけつけ、ウードの元カノを訪ねる旅の運転手を頼まれるのだった。
友だちの終活をサポートし、ボスのオリジナルカクテルを飲んで旅を完結させるはずだったが、ウードはボスの人生に影響を及ぼす“秘密”があることを告白する。その秘密が導いたもう一つの物語が、心に迫る。
『スワンソング』
© 2021 Swan Song Film LLC 配給:カルチュア・パブリッシャーズ『スワンソング』は実在したヘアメイクドレッサーのパトリック・ピッツェンバーガー(通称、ミスター・パット)をモデルにした作品。
引退して老人ホームに暮らしているパットはかつての顧客で友人だったリタから遺言で死に化粧を依頼される。この依頼を機に、ゲイとして生き、最愛のパートナーが早逝したことなど、人生の最期に過去と向き合うパットの生き様が素敵だ。
『プアン/友だちと呼ばせて』
2021年 タイ 129分
監督/バズ・プーンピリヤ
製作総指揮/ウォン・カーウァイ
出演/トー・タナポップ、アイス・ナッタラット、プローイ・ホーワン、ヌン・シラパン、ヴィオーレット・ウォーティア、オークベープ・チュティモン
URL/
https://gaga.ne.jp/puan/新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、渋谷シネクイントほか全国公開中
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『スワンソング』
2021年 アメリカ 105分
監督・脚本/トッド・スティーブンス
出演/ウド・キアー、ジェニファー・クーリッジ、マイケル・ユーリー、リンダ・エヴァンス
URL/
https://swansong-movie.jp/シネスイッチ銀座、シネマート新宿、アップリンク吉祥寺ほか全国公開中 構成・文/山下シオン
『家庭画報』2022年9月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。