弟の圭土さんは1978年11月18日生まれ。自身のユニット“Viano(ヴィアーノ)”のほか、細野晴臣さんのバンドにピアニストとして参加している。 ――アルバム『Piano Infinity』では、14の収録曲のうち、前半7曲を圭土さん、後半7曲を守也さんが作曲されています。
圭土:「兄も僕も作曲して、お互いにない部分を補い合えるのが、レ・フレールの強みかなと思います。僕は7曲全てが新曲で、制作期間も短かったので、どれも今の僕が反映された楽曲になっているんじゃないかなと。それぞれ、人や架空のものをテーマに書いたので、タイトルと曲調から情景を自由に思い描いてもらえたら嬉しいです」
守也:「僕のほうは、“ポップでロック”をテーマにしました。青春真っ盛りの16歳と18歳でつくった2曲も入っているので、それをおじさんが頑張って弾いてるぞ!という感じも含めて(笑)、楽しんでいただけたらなと思います」
――7人兄妹のうちの3番目が守也さん、5番目が圭土さんだそうですね。どんな音楽を聴いて育ったのでしょう?
守也:「僕はずっとロックが好きで、留学中(ルクセンブルク国立音楽学校)も毎日ハードロックを聴きながら教室に通っていました。そういう音楽をピアノで表現するというのが、僕の作曲の原点。だから今回のアルバムには、自分の原点が詰まっているんです」
圭土:「5歳下の僕は、そんな兄の影響で、小学校低学年の頃から1980年代のハードロックを聴いていました。そこから自分で70年代のロックを聴くようになって、続いて60年代のビートルズやローリングストーンズ、さらにロカビリー……という具合にどんどん遡って聴いているうちに、ロックのルーツのブギ・ウギに辿り着きました」
――いまや、日本で唯一のブギ・ウギ&ブルースピアニストとしても活躍されている圭土さん。昨年11月には「ジャパン・ブギ・ウギ・アカデミー」を発足されたとか?
圭土:「弟子にしてくださいとか、どこで習えるんですか?という声に応えたいと、この10年ずっと考えてきたことが、ようやく形になりました。海外のアーティストから盗みつつ、僕なりに20年以上学んできたブギ・ウギ・ピアノの奏法やフィーリング、グルーヴみたいなものを、次世代に伝えられたらと思っています」
――守也さんも、昨年初のソロアルバムを出されたり、病院や社会福祉施設でのコンサートをライフワークにしているなど、独自の活動をされていますね。
守也:「はい。去年のクリスマスは、横浜の小児医療施設でサンタクロースの格好で弾いてきました。中には踊り出す子もいて、入院中の子供達みんなと一緒にクリスマスを楽しむことができて、僕も感激しました。音楽の楽しさを伝えるワークショップも始めたんです。今年はバリアフリーコンサートもやろうと思っています」