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タネからは“ひまし油”が採れる。秋に真っ赤なイガイガした実をつける「トウゴマ」

2022.10.27

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365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。一覧はこちら>>

トウゴマ


トウゴマ
少しマゼンタを含む華やかな赤がかわいいトウゴマの実。イガイガといっても、クリのようには堅くなく、繊細な印象を受けます。

■属科・タイプ:トウダイグサ科の宿根草
■花期:7月〜10月

■草丈:1〜3m

これほどダイナミックに育つ一年草は珍しい!


秋に真っ赤なイガイガした実をつけるトウゴマをご存じでしょうか。トウダイグサ科トウゴマ属ですが、トウゴマ属はこの1種しかなく、いわゆる一属一種の植物です。この赤い実の中に入っている種はひましと呼ばれ、種から採れるひまし油は工業用の潤滑油や化粧品などに利用されています。

トウゴマの花は7月から咲き始めるので、早いと9月から実がなっていることもありますが、ちょうどこの時期には、実がたくさんなっている姿が見られます。

アフリカ北東部や中東などの原産地では宿根草ですが、耐寒性が弱いため、日本では一年草扱いとなります。個性的な真っ赤な実もさることながら、私が驚いたのはトウゴマの生育力です。

よく通っているガーデンでは、シックな葉色のトウゴマを毎年花壇のアクセントに利用しているので、宿根しているのかな?と不思議に思っていたところ、花壇になくてはならない大型の植物なので、毎春に種まきして育てているのだそうです。一年草なのに夏には1mを優に越し、最終的には2mくらいまで大きくなるのですから、その生育力は驚異的です。

深い切れ込みの入る葉形、少しグレイッシュな赤紫の葉色、そして雌花は赤、雄花は白という花色の分かれ方…。トウゴマには赤い実だけではなく、その成長過程をずっと近くで観察していたくなる魅力があります。こぼれダネからも育つそうなので、個人邸の外周りの植栽でも利用する人が増えないかなあ、とひそかに期待しています。

栽培の難易度


栽培の難易度 ★★☆☆☆

日当たりがよく、水はけのよい土壌に植えます。大きく育つので、それなりのスペースを確保します。植えつけ時に元肥を施せば、追肥の必要はありません。庭植えの場合は、土がからからに乾いたら水やりします。耐暑性は強いので夏の対策は必要ありません。晩秋にトゲトゲの果実が茶色くなって裂けてきたら、種を採取しておきます。翌年の4月〜5月に種まきします。

【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる

高梨さゆみ/Sayumi Takanashi

イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。
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