藤野幸信さんが選ぶ「季節の贈り花」 今、この花を贈りたい! 「フルール トレモロ」オーナー 藤野幸信さんが“今贈りたい”おすすめの花をセレクト。その花を使った、新作ブーケ&アレンジメントをさまざまなバリエーションでお届けします。
記事一覧はこちら>> 「紀子の花」の高木紀子さんが栽培したかわいらしいピンクのダリア‘ハマリローズ’をメイン、深紅のバラ‘ヴァーグ+’、シンフォリカルポスのかわいらしい実を合わせたアレンジ。お母さまの還暦祝いに、娘さんからの贈り花です。ボール咲きのダリアはこの立体感も大きな魅力です。どう使っても脇役になりきれない、主役のオーラをまとった花!
九州から北海道まで、季節によってリレーするように栽培地を変えて生産されるようになったおかげで、ダリアは一年中出回る花になりました。
花色も花形もバリエーションが豊富で、しかも花のサイズは極小輪から子供の顔ほどの大きさの超巨大輪まであるので、まさに選び放題。制作したい贈り花に適したダリアを見つけられます。ブーケやアレンジによく利用するのは、小輪のマイクロポンポンと花径が10〜15cmくらいの中輪です。
発色のよい花色、美しく整った花形のダリアは、脇役で少し加えただけでもその美しさに目が引かれます。どう使おうと脇役にはなりきれない、主役花のオーラというか、その存在感は恐ろしいほどだと常々感じています。
今回は初夏から秋によく利用させてもらっている、花業界で「青木村のダリア」と呼ばれるダリアを紹介します。
中輪のポンポン咲きダリア‘ハマリローズ’。色ののりが抜群なのは、青木村の気候のおかげなのだと思います。蕾つきで届いてうれしさも倍増です。長野県小県郡青木村は、観光地として知られる安曇野と、戦国時代に真田氏が築いた上田城のある上田市の間に位置します。標高約900mで冷涼な気候、かつ気温の寒暖差があることが切り花の生産に適しているそうで、「紀子の花」「彩花キタムラ」「フラワーファーム沓掛」と、3軒の花農家さんがクオリティの高いダリアを作っています。
生産する品種選びのセンスがすばらしく、仕立てが美しいことはもちろん、花もちが抜群によく、きっと出荷の際の水揚げ処理を丁寧にしているのだと思います。青木村から届くダリアのクオリティの高さに感心しつつ、それをどう生かそうかといつも制作意欲を刺激されています。「青木村のダリア」で作った贈り花、たっぷりご覧ください。
【20名様・限定募集】家庭画報×フルール トレモロ「季節を彩るブーケ」花の定期便 第2期募集がスタート 藤野幸信/Yukinobu Fujino
広島駅からほど近い段原の骨董通りにある「fleurs trémolo」(フルール トレモロ)オーナー。広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を終了後、花の道に進んだ異色の経歴。感動する花束を多くの人に届けたいという思いから、市場からだけでなく自ら生産者情報を入手してお気に入りの花を集める。何種類もの花を使ったブーケは、エレガントでナチュラル。著書
『大切な人への贈り花』も好評。
https://www.fleurs-tremolo.com 『人気フローリストが教える フラワーアレンジのデザイン&ヒント78 大切な人への贈り花』
誕生日、結婚記念日、ウエディングなど、78例のブーケ&アレンジメントを色別に掲載したオールカラーの大判の単行本。色別花図鑑コラムや全国の生産者データなどお役立ち情報やインデックスも充実。大切な人へ花を贈る際のヒントが満載です。