書・文=コシノジュンコ(デザイナー)
食べるということは、人にとって一番大切なこと。食べて成長するし、元気になる。人間の基本だと思うんです。同じ食べるにしても、ただ満腹になるというのでなく、体にいいものを食べる。質の良さは大切だと思います。
美味しいという字は美しい味と書くでしょう。まず目で食べて、そして味わう。そうして食べることで、すごく充実感がある。お腹も、感性も、満足する。それは、感性を伴って食べるということです。
凝ったものだけが、美味しい料理というわけじゃなく、その質や素材を生かすという意味で、さらっと作るのもいいものです。料理人もやはり「人に良い」ことをするということが目的なのかなと思います。
美味しいと感じることで、みんながハッピーになる。だからやっぱり食べることは、元気の素ということです。
撮影/本誌・大見謝星斗
『家庭画報』2022年10月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。