「心を調える」秋 京都で新体験 第26回(全30回) 時代の変わり目、何かと心がざわめき、心が調(ととの)わないと感じる日々が続きます。今、私たちに必要なのは、心をからっぽにし、頭を整理する時間です。自分の心に、自分の人生に深く残る何かを求めて、日本の心の原点、京都に旅立ちます。
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注目の新店をご紹介します。旅のプランに合わせて選ぶ美味処で、古都の秋をご堪能ください。
COPPIE(高辻猪熊)
【秋のおすすめ】手前から、生クリームに鰹節の香りを纏わせた辛子クリームと大徳寺納豆で味わう「まぐろの造り」。自家製フォカッチャに鰻のたれ焼き、京都・城陽産のいちじく、ゴルゴンゾーラをのせた一品。[一品料理]町家空間で楽しむ、無国籍料理と世界各国の多彩なお酒
京都の暮らしが息づく住宅街に小さな表札を掲げる「COPPIE」。築85年の町家の趣を残す店内に入ると活気に満ちたカウンターが広がり、キッチンではシェフの上田大樹さんがフル稼働。イタリア語で複数のカップルの意の屋号のとおり、2組の夫婦がジャンルレスな料理とお酒を居酒屋感覚で楽しませてくれます。
幅広のカウンターを挟んで、調理、酒類のセレクト・提案を夫婦2組4人が分担。「ホームパーティのような雰囲気で楽しんでもらうのがうちのスタイル。初対面のお客さま同士がいつの間にか和気藹々と過ごされています」と、店主の橋本 遼さん。
メニューは温冷の前菜、魚料理、肉の炭火焼きなどアラカルトがメインで、鮒寿司やカラスミ、奈良漬といった発酵食品を掛け合わせて、日本酒、ワインのどちらにも合う一皿が並びます。
【定番】塊肉を遠火で焼き上げる「京たんくろ和牛の炭火焼」。茄子田楽のイメージで作ったという黒にんにくのペーストと賀茂茄子が添えられる。ぐじのフリットやまぐろの造りは旨みや香りを凝縮したソースで、いずれも意表を突く味わい。
きのこの一夜干しだしで味わう「丹後ぐじのフリットと焼きリゾット」。フィッシュ&チップスの感覚で、丹後のクラフトビールをペアリング。お酒もジャンル不問で、リストはなく、ワインは20種、日本酒は65種をグラスで揃えます。スタッフと相談しながら、この店だけの個性的なペアリングが楽しめます。
Information
COPPIE(コピエ)
京都市下京区高辻猪熊町367
- 一品料理が主体で1人予算1万3000円前後 コース6000円~もあり なるべく予約を
撮影/伊藤 信 取材・文/西村晶子
『家庭画報』2022年10月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。