この世の創造物のすべてを讃えて
内向きだった時期を経て、外に出てみれば、世界とはこんなにも色彩と光に満ちた豊かな場所だったのか……。「ボーテ デュ モンド」コレクションは、まさにそうした発見と悦びを表現しています。
胸のすくような絶景から、小さな命に宇宙を凝縮させたような小動物や植物まで、この世の美しいものすべてがインスピレーションの源。
モチーフも多種多様なら、ストーンバリエーションも豊富。宝石そのものを夢先案内人に見立てることもあれば、建築的構造を駆使する、という具合に、自由自在にクリエイションを展開しています。
それはまるで至高のオーケストラが奏でる自然讃歌、生命讃歌。奇跡の星、地球に今いることを謳歌するようなコレクションなのです。
植物の生命力と造形の妙を傑出した発想力で芸術の域へ
右・リング(Pt×ルベライト×アベンチュリン×ダイヤモンド) 左・リング(Pt×ルビー×ツァボライトガーネット×ターコイズ×ダイヤモンド)ともに価格未定/カルティエ(カルティエ カスタマー サービスセンター)右・44ctを超える大粒のルベライトのリングは、灼熱の砂漠で生きるウチワサボテンがモチーフ。幾何学的にデザインしたアベンチュリンは茎、そこにあしらわれたダイヤモンドは棘を連想させます。
左・こちらもサボテンから着想。大粒のルビーを中心に、有機的な彩りと光が生き生きとエネルギーを放つかのよう。
蟬の羽音、夏の光をまとった透明感、現代の名工たちの技の結晶
ネックレス(WG×ダイヤモンド×ロッククリスタル×ルビー×オニキス)価格未定/カルティエ(カルティエ カスタマー サービスセンター)「ボーテ デュ モンド」コレクションの中でもひときわ印象的なネックレスは蟬がモチーフ。トップの6.10ctのダイヤモンドから、ファセット加工を施したロッククリスタル、パヴェセッティングしたダイヤモンドが翅を広げるような意匠。
アールデコ建築を思わせる彫刻的なデザインと、優しく肌に添うしなやかさが両立した傑作です。
撮影/SHINMEI〈SEPT〉 取材・文/鈴木春恵
『家庭画報』2022年10月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。