365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。
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プーゲンビリアといえば、この鮮やかなマゼンタ色。色づくのは苞(ほう)で、小さな白いものが花です。■属科・タイプ:オシロイバナ科の常緑低木(つる性)
■花期:4月〜11月
トロピカルな印象の花、じつはこの時期も咲きます!
ブーゲンビリアといえば、国内では沖縄、海外ではハワイで咲いているイメージをもっていたので、まさか11月上旬の東京で見かけるなんて思いもしませんでした。それも鉢植えではなく地植えで、電線に届くほど高く伸びた樹姿だったので、思わず声を上げるほど驚きました。
見かけたのは閑静な住宅地。外出先から駅へ向かって歩いていると、目の端で鮮やかなピンクをとらえ、横道をのぞき込むとブーゲンビリアが咲いていました。ブーゲンビリアは、日中の気温が20〜25℃以上あれば蕾を形成するので、春〜秋まで長い期間咲くのですが、その年の東京の11月上旬は蕾ができるほど暖かかったということですね。
ブーゲンビリアは中南米の熱帯エリアが原産で、耐寒性はそれほどありませんが、かなり大きく育っているところをみると、東京の環境で何年も冬越しをしているのではないかと思われます。ブーゲンビリアは南国の花という思い込みは修正しておかないといけませんね。
今年の夏は、鉢植えのブーゲンビリアが咲いているのを散歩道の何か所かで見かけました。定番の鮮やかなマゼンタ色のほかに、白やオレンジ色、紫などの花色もなかなか魅力的です。
11月の東京、住宅地で見かけたブーゲンビリアは、低木とはいえないくらい大きくのびのび育っていました。電線が木の中を通り抜けているのにも驚き!栽培の難易度
日なたを好み、日陰だと花つきが悪くなり、葉を落としてしまうこともあります。やや乾燥ぎみに管理するとよく育つので、地植えであれば、とくに水やりする必要はありません。施肥は基本的には少なめでよく、花つきが悪くなったら緩効性肥料を施します。花期が終わると新しい枝が上に向かって伸びてきます。この徒長枝は花がつきにくく、トゲが生えやすいので根元近くから切り落としてかまいません。
【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる 高梨さゆみ/Sayumi Takanashi
イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。