365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。
一覧はこちら>> ヒメツルソバ
群馬県にあるガーデンでは、11月中旬でもこんなにたくさん花が咲いていました。花色の少なくなる季節に、グランドカバーとして華やかに地面を彩ります。■属科・タイプ:タデ科の宿根草
■花期:4月〜12月
■草丈:5cm程度(つるの長さは50cm程度)
かわいらしいピンクのボンボンがたくさん咲きます
散歩道でよく見かけるヒメツルソバ。植えたわけではないのに、どこから来たのか自宅のレイズドベッド(立ち上げ花壇)にも広がっています。下垂する枝の雰囲気がよく、ピンク色のボール状の花もかわいらしいので、刈り取らずそのままにしています。
ヒメツルソバは、旧属名のポリゴナムと覚えている方も多いと思います。現在でもポリゴナムで出回ることも多いので、両方の名前を覚えておくと便利です。ヒマラヤ原産で、日本では当初はロックガーデン用のプランツとして普及したようですが、耐寒性・耐暑性ともに強く、とにかく丈夫な性質で、今では住宅街でも野草化しつつあります。あまりにはびこるのは望ましくありませんが、性質の強さ・花のかわいらしさ・開花期間の長さなど優れた要素をたくさん持っている花なので、上手に利用していくことがよいと考えています。
ピンクの小さなボンボンのかわいらしさがたまらず、また、この時期からは紅葉で真っ赤になる葉も楽しめるので、個人的には好きな花です。ただ、レイズドベッドに広がったヒメツルソバは、それ以上はびこらないように年に何回か剪定をするように心がけています。
栽培の難易度
日当たりがよい場所を好みますが、明るい日陰でも育ちます。それまで草花を植えていた花壇であれば、植えつけ時の元肥も、その後の追肥も必要ありません。乾燥にも強いので、地植えの場合は雨水だけでよく、真夏に日照りが続いた場合のみ水やりをします。伸びすぎた枝は随時切り戻します。こぼれダネからも増えるので、望まない場所で育っていたら抜くようにします。
【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる 高梨さゆみ/Sayumi Takanashi
イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。