カエデにも引けをとらぬ魅力、紅葉する「ドウダンツツジ」の美しい赤

ドウダンツツジ

木製のフェンスに沿ってエスパリエ仕立てにしたドウダンツツジ。この時期は葉が発色のよい赤に染まります。

■属科・タイプ：ツツジ科の落葉低木
■花期：4月中旬〜5月上旬　紅葉の時期：10月中旬〜11月

花だけでなく紅葉も！なんて魅力的な低木でしょう

晩春にたくさん咲く白いベル型の小さな花がとにかくかわいらしいので、その時期にご紹介するつもりでしたが、いや、この低木の秋の紅葉も見逃せない、と考え直しました。庭木として、また垣根用に幅広く利用されているドウダンツツジです。

ツツジといっても、5月に色鮮やかな花をたくさん咲かせるツツジとは属が異なり、花形や花の咲き方、葉のつき方などかなり印象も違います。ツツジよりドヴタンツツジのほうが全体に繊細な印象を受け、私はこの低木が大好きです。

花の時期だけでも十分魅力的なのに、小さな葉が密に茂るこの低木は、秋になると葉が見事に紅葉して、木全体が燃えるように真っ赤に染まるのです。それは、カエデにも引けをとらないほどのすばらしさ！　それを住宅街や公園などで見られるのは、本当にありがたいことだと思います。ドウダンツツジは細い枝がたくさん出て葉が密に茂り、刈り込んでも新芽が次々に出てくるので、管理が手軽にできるのも公共の公園でよく利用される理由です。

ドウダンツツジには、基本種の白花のほか、淡いクリーム色にピンクの縞が入るサラサドウダン、紅色の花弁に刷毛目模様が入るベニドウダンなど、かわいらしい花色の種類もあります。いずれも紅葉が楽しめるので、散歩道で見つけたら、翌年の晩春にどんな花が咲くかも確認してみてください。


晩春にはスズランに似た形の白花をたくさん咲かせます。フレッシュな若葉も美しく、このかわいらしさとボリューム感はドウダンツツジの大きな魅力だと思います。

栽培の難易度

日本原産なので環境に適応し、栽培しやすい木です。日当たりがよい場所を好みます。日陰だと花つきが悪くなり、秋の紅葉の発色が悪くなりがちです。植えつけ時に元肥を施せば、追肥の必要はなく、翌年以降は休眠期の2月〜3月に株元に緩効性肥料を施します。剪定は落葉後に行います。そのままのサイズでよい場合は、徒長枝をカットし、込み合っている箇所を間引きます。全体のボリュームを抑えたい場合は、地際から10cmくらいまところで刈り込みます。

【難易度】
★　容易・初心者向け
★★　標準・初級〜中級者向け
★★★　少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★　難しい・上級者向け
★★★★★　栽培環境が限られる