HBOCが疑われる人とは?その診断と予防法
HBOCが疑われるのは、
1)若年で乳がんを発症した
2)家系内に乳がんや卵巣がんになった人がいる
3)両方の乳房にがんを発症した
4)片方の乳房に複数回、がんを発症した
5)乳がんと卵巣がんの両方を発症した
6)男性で乳がんを発症した
7)トリプルネガティブ(エストロゲン受容体陰性、黄体ホルモン受容体陰性、HER2陰性のタイプ)の乳がんを発症した
などの特徴を持つ場合です。
これらの特徴が当てはまる人に対して遺伝子検査を行い、
BRCA1/2 遺伝子に変異が見つかるとHBOCと確定診断されます。
卵巣がんの発症リスクを低減させる方法として唯一報告されているのが「リスク低減両側卵巣卵管摘出術(RRSO)」です。
「この手術は保険適用外となり、手術を行っても腹膜がんを発症するリスクがわずかに残るのと、閉経前に行うと卵巣欠落症状に悩まされるという問題があります。日本では、それほど多くの施設で行われていないのが現状です」
子どもにHBOCが受け継がれる確率は50%ですが、受け継いだとしても卵巣がんを必ず発症するわけではなく、その可能性が高くなるだけです。
「HBOCはご本人だけでなく親子、姉妹ともかかわる疾患なので、遺伝子カウンセリングなどが整備された専門施設、もしくは婦人科腫瘍専門医への相談をおすすめします」と三上さんはアドバイスします。
日本HBOCコンソーシアムのHPでは専門施設一覧を、日本婦人科腫瘍学会のHPでは専門医一覧を掲載していますのでご参考に。
Information
東海大学医学部付属病院
神奈川県伊勢原市 下糟屋143
「家庭画報」2018年3月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。