野菜作りは家族で楽しみ、農業のプロの指導を受けながら堆肥作りに挑戦したことも。日焼けのケアも怠らず、畑仕事の後は自社のフェイスクリームでつや肌をキープします。幸せと美しさを生む自分らしい自然体の生き方
絵を描くのも、絽刺しも人に習うことなく、独学で楽しんできたという、祖母・宣子さん。「誰にも教わらなかったことで自分の好みのものができ、娘や孫が喜んでくれたことが創作意欲につながったのだと思います」。
折に触れてお煎茶やきものも楽しみ、薫さんも常に美しいものに囲まれていたといいます。
「89歳の母が元気でいられるのは絽刺しのおかげ。美しさにこれという定義はありませんが、母のセンスで作られたものには独特の美しさがあります。私も自分を磨き、生涯現役でありたいです」。
一方、奈緒さんの日常は、薫さんと作った化粧品会社の仕事が中心。自分たちの肌に合う化粧品を求めて会社を立ち上げ、積極的に学会へと足を運び、最新の皮膚科学を学びながら、自社商品を企画しています。
過敏症だった自身の肌もこの数年でなめらかに改善。「弱みや悩みがクリアできるとポジティブになれ、小さくても目標があると仕事もオフも頑張れます」。
毎日を一生懸命生きながら、さまざまな感動と発見に出会っているお二人。宣子さんの生き方が、何よりのお手本になっているようです。
心身の“美”
代々続けている煎茶は心身の健康面に優れた楽しみ
煎茶のお稽古は日本文化に触れる貴重な時間。「一煎目が入るまでは張り詰めた空気になりますが、お茶のおいしさに心和み話が弾みます。お茶は体にもよく、香りはリラックス効果大」と薫さん。代々、京都・嵯峨の賣茶竹延流の松田延雲家元に習い、きものを着るよい機会にもなっています。
伝承の“美”
一針一針から生まれる景色は特別。祖母が始めた美しい絽刺し
絽布の上下に糸を刺し、色を変えながら針目だけで柄を表現する絽刺しは手先と頭を使い、美的センスも問われます。
既製の糸では満足できない宣子さんは好みの色や撚りの絹糸を誂え、薫さんはバッグや小物入れも自身でデザイン。薫さんはこの文化を未来へつなぐべく「薫光会」を主宰。自宅でお稽古をしています。
美容の“美”
最新の美容情報をスキンケアに。3代の肌を支えるオリジナル化粧品
「ルウラブ」の商品の詳細はこちら>>アメリカで医学を修めた医師である薫さんの兄と、抗老化の最新情報を交換しながら、10年前に化粧品を開発。抗アレルギー作用のあるいちご由来成分配合のクレンジングと洗顔料「ルウラブ」シリーズに始まり、近年注目の成分NMNを配合したオールインワンクリームなどを発売。
「最先端の浸透技術を採用した自信作です。祖母、母、私たち3姉妹も愛用しています」と現在、社長を務める奈緒さん。
〔特集〕母から娘へ── 受け継がれる「美」の秘密(全3回)
撮影/鍋島徳恭 ヘア&メイク/曽我和彦、佐々木大輔〈ともにTRINE〉 着付け/木村節子、豆多景子〈ともに市田美容室〉 取材・文/西村晶子
『家庭画報』2022年10月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。