恋愛や結婚も同じではないか。最後の最後まで実は結果は不明だ。とはいえ、私の友人たちも常に費用対効果を計算して恋愛や結婚をしたわけではない。相手のことを愛(いと)しいと感じたら、自然に結ばれて結婚生活が始まる。私みたいな屁理屈を並べていたら、まさに「男と縁がなくて当然」である。
どうもその辺がもやもやしたまま、久枝さんに会った翌日、知人の女性編集者のノンちゃんにメールを出した。ノンちゃんは50歳前後だが、美人で聡明。小学生の頃に、クラスに一人はいただろう。頭が良くて、きちんとした女の子。宿題はちゃんとやって来るし、忘れ物もない。クラスのリーダー的存在だが、けっして出しゃばらず、人望がある。宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」の詩ではないけれど、ああいう人に私はなりたいと誰もが思うタイプ。まさにノンちゃんがそうなのだ。しかも医療関係の専門書の編集をしているので、やたらと女性の身体の悩みに詳しい。
そこで、ミエさんのことを相談したら、高齢女性のために膣まわりをケアする商品は数多くあるという返事が速攻で来た。その中でも森田敦子さんという方が開発した商品が有名なのだそうだ。とにかく選りすぐりの植物成分を使用しているので安心とのこと。しかも森田さんは植物療法(フィトテラピー)の第一人者だという。さっそくノンちゃんに頼んで実際の商品を入手してもらった。
「ワフィト」と「アンティーム オーガニック」という2つのブランドがある。どちらもデリケートゾーン用のリキッドソープ、保湿ローション、オイルなどがある。すべて植物成分にこだわっているから安心だ。
そういえば、10年ほど前に取材した70代の女性で、やはり膣の劣化に悩んでいた方がいたのを思い出した。痛くて仕方がないのでベビーオイルを使っていると言っていた。婦人科の女医さんに相談したら「その年であんなことしなくたっていいじゃない」と冷たく切り捨てられ、ひどく傷ついたという。本当に、こういう製品がどこで買えるかもわからない時代だったのだ。