【特別取材】印象派の巨匠「ルノワール」の曽孫、ソフィー・ルノワールさんのパリ生活

庭で長男のアレクシさん（右）と次男のジェレミーさん（左手前）、仕事仲間のパスカルさんとアぺリティフを楽しむソフィーさん。

「わが家にとって大切なのは、家族が愛に包まれ自由であること」

2人の息子さんたちとは仲がよく、小さい頃からよく美術館に連れて行き、印象派やそのほかの絵画なども一緒に見ることが多く、息子さんたちもそうした時間を楽しんでいたそう。ソフィーさんも同様に、小さい頃お母さまに連れられて、たびたび美術館に行き、《モナ・リザ》やモネ、ルノワールの作品などを見ていたと話します。


「子どもたちが大きくなってからは、美術館のルノワールの家族の肖像画の前で、あっ、自分たちのファミリーだ！とごく自然に、親しみを込めて眺めることもあるんですよ」と微笑みます。



美術館での企画展でルノワール作品《ガブリエルとジャン》の前に立つソフィーさんと息子のアレクシさん（左）、ジェレミーさん。©François Darmigny

息子さんたちについて、ソフィーさんは「アレクシは俳優業に力を入れていて、忍耐力がありますね。ジェレミーは何事にも情熱的で好奇心旺盛です。彼は美術史の研究をしています。どちらも本質的な部分で似ていて、彼らのすることを応援しています」と語ります。

いずれは彼らもルノワール家の継承者になるわけですが、今はそのことにこだわらず、2人のやりたいことを自由にやればいいと考えているソフィーさん。「私たちは、芸術や政治、映画や人生について、普段からよく情熱的に議論するんですよ」と話すソフィーさんの目は、息子さんたちへの愛に満ち溢れていました。

家族の絆と美しいパリの街が“表現者”としての人生を後押ししてくれる

パリから西に約10キロの、セーヌ川の下流に浮かぶ小さな島、アンプレッショニスト島は、かつて印象派の画家たちが愛した場所。右手の建物がレストラン「フルネーズ」。太陽の光に輝く木立の緑、セーヌ川に映る青い空や水面のきらめき。思わず、ソフィーさんの撮影モードにスイッチが入る。

※後編に続く。