365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。
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丸い葉形がかわいらしいユーカリ・ポポラス。少しシルバーがかったシックな葉色も魅力です。■属科・タイプ:フトモモ科の常緑、または半常緑の高木
■観賞期:通年 花期:4月
シックな色の丸い葉が風に揺れるとキラキラ輝くよう
今回は、住宅のシンボルツリーとして人気上昇中のユーカリを紹介します。ユーカリには多くの種類がありますが、シンボルツリーとしてよく利用されるのは、丸い葉がかわいらしいポポラスです。
ちなみに切り花のグリーン花材としても出回るので、花屋さんで見かけたことがあるかもしれません。丸い葉の中にはハート形になっているものもあり、この木に出会うときれいなハート形はあるかな、と探すのが楽しみでもあります。
また、ユーカリは少しシルバーがかったシックな葉色も魅力で、シンボルツリーに利用するととてもしゃれた雰囲気になります。個性的でありながら、主張しすぎないのも好感を集める理由だと思います。
最近、散歩道でユーカリ・ポポラスをシンボルツリーにしているお宅を2軒ほど見つけました。どちらも樹高が2mほどなので、植えてからそんなに年数は経っていないと思います。おしゃれなシンボルツリーだなあと眺めていると、風で丸い葉が揺れて少し白い葉裏がちらちら見えるとキラキラ輝いているように感じられ、本当に素敵な木だと実感しました。
ユーカリの原産地はオーストラリアやタスマニアなどです。耐寒性はそこそこですが、耐暑性が強く、夏の暑さにも負けずに元気に育ちます。オーストラリアやタスマニア原産の植物には耐暑性の強いものが多くあり、昨今の日本の夏の異常な暑さにも順応することから、オージープランツと呼ばれて人気になっています。
その先駆け的存在ともいえるのがユーカリです。現地では放任すると樹高が25mくらいまで高くなりますが、日本の環境ではそこまで高くなることはありません。ただし、成長がとても早いので、剪定で欲しい樹高をキープするのがおすすめです。
ユーカリ・ポポラスの樹姿。丸い葉がたくさんついて、全体が優しい印象に感じられます。栽培の難易度
日当たりと風通しのよい場所を好みます。過湿を嫌うので、水はけのよい土壌に植え、やや乾燥ぎみに管理するのがポイント。地植えの場合は、水やりは雨まかせでかまいません。植えつけ時に元肥を施せば、その後の追肥は必要ありません。翌年以降は2月〜3月に緩効性肥料を株元に施します。成長が早いので、剪定は欠かせません。どの時期でも行えるので、伸びすぎた枝は随時カットします。とくに樹高を低くキープしたい場合は、年に3回くらい定期的に剪定するのがおすすめです。
【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる 高梨さゆみ/Sayumi Takanashi
イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。