【幸福長寿への賢い対応】
人間ドックで体の弱点を総点検。異常の発見だけでなく未病を防いで病気に負けない体づくりを
「自覚症状のない段階で受診していれば発見される異常や病気が、健診・人間ドックの受診控えにより見つけにくくなったうえに、外出自粛による悪影響をダイレクトに受け発生頻度も上がっているのが、我々の健康をめぐる現在の状況でしょう」と荒瀬先生は総括します。こんな危機的状況から逃れて自らの健康を守るには、今こそ体の総点検が必要です。
「自分の弱点を知り、未病を防ぐことが病気に負けない体づくりと幸福長寿の実現には大切です」と荒瀬先生はアドバイスします。それには検査項目が多く、自分の受けたいオプション検査も選べる人間ドックで体の気になる部分を徹底的にチェックするのがおすすめ。この特集では人間ドックと成熟世代が知っておきたい専門ドックを詳しくご紹介します。
弱点に応じて組み合わせるとよい、主なオプション検査
虎の門病院付属健康管理センター・画像診断センターパンフレットを参考に作成【豆知識】
健康診断と人間ドックの違いとは?
健康診断(健診)は「法的義務」によって自治体や企業等で行われている健康診査などです。生活習慣病の予防や早期発見を目的に40~74歳に実施されている「特定健康診査」や、労働安全衛生法に基づき、年1回行われる「一般健康診断」がこれにあたります。検査項目は健康状態を知るための基本的な項目のみで、費用も無料または低額となります。
一方、人間ドックには法的義務はなく、個人の意思によって受診するものです。そのため、自分が受けたい検査項目が選べ、費用も自費で高額です。健診よりも健康状態を詳しく確認し、健診だけではわからない病気を早期発見するために検査項目が多いのが特徴です。また、検査結果をもとに医師から説明やアドバイスを受けられる面談を設定する人間ドックも増えており、手厚いフォローアップがあることも健診との大きな違いです。
人間ドックへの投資は幸福長寿への近道です!
取材・文/渡辺千鶴 撮影/田中 雅、柳原久子、本誌・大見謝星斗、伏見早織
『家庭画報』2022年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。