【作り方】
1:オニオンスープを作る。玉ねぎは繊維に沿って薄くスライスする(写真)。繊維を断つように切ると、火が通るまでの時間は早くなるが、炒める間に切れてしまい、みじん切りを炒めるのと同じようになってしまう。
2:鍋にバターを入れて中火にかけ、溶けたら1を入れる。最初は焦がさないよう、バターを玉ねぎ全体に回してコーティングするように炒める。
3:玉ねぎに艶が出て、少し黄色味が出てきたら、ここで塩をふたつまみほど振る。少し炒めると、すぐに玉ねぎの水分が出てくる(写真)。この水分が玉ねぎ臭さの元になるので、とばすようにしてさらに炒める。
4:火をごく弱火にし、そのまま3時間ほど炒め続けると、このような状態に(写真上)。途中、焦げやすく、玉ねぎもちぎれやすくなってくるが、そういうときは水少々を加えて、鍋底のこびりつきをはがし、蒸発させながらさらに炒めることができる(写真下)。焦げ始めたからと、そこで炒めることを諦めず、しっかりと最後まで炒めきること。
5:ここまで炒めたらいったん火を止め、フォンを少しずつ注ぎながら固まった玉ねぎを溶いていく(写真)。再び火にかけてフォンを沸かし、浮いてきたアクを取る。鍋肌のこびりつきは水で濡らした刷毛で落とす。
6:フォンの量は玉ねぎの状態によって変わるが、玉ねぎとのバランスはこのくらい(写真)。ここで味をみて塩で調える。フォンでのばしただけでは、まだ全体がなじんでいないので、このまましばらく煮て、玉ねぎのエッセンスをフォンにしっかりと移す。そうすることで、縮こまっていた玉ねぎが広がり、スープになる。
7:仕上げる。カップに熱いスープを8分目ほど注ぎ、バゲットを2~3枚のせ(写真)、上からすりおろしたグリュイエールチーズをかける。200℃に予熱したオーブンで、表面にいい色がつくまで焼く。
代々著名なシェフを輩出してきた老舗フレンチ「銀座レカン」。本書は6代目料理長・高良康之氏(2017年9月から料理長は渡邉幸司氏)による「基本のフレンチ」のレシピブックです。素材も身近なシンプルなものを用いながら、伝統に培われたフレンチの基礎をひと皿ひと皿、丁寧に作り、味付けのコツやテクニックの極意を語ります。工程写真も多数。誌上スーパーシェフレッスンという一冊でまさに保存版。
高良康之(著)
定価:本体1,800円+税