加齢で変化する心身に応じて検査項目を設定「女性検診」
女性のライフステージや個々のライフスタイルに応じた検査項目を揃え、カウンセリングにも力を入れる「女性検診」。長くつきあえるかかりつけ医との出会いのきっかけにもなります。
女性ライフクリニック銀座・新宿理事長 対馬ルリ子先生弘前大学医学部卒業、東京大学医学部産婦人科学教室入局。都立墨東病院周産期センター産婦人科医長などを経て、2002年に開院。女性外来の設立に尽力し、20年には女性のウェルビーイングと活躍の実現を目指して政策に声を届ける日本女性財団を設立、代表理事に就任。【なぜ必要?】
女性の心身は年齢に応じてダイナミックに変化し、病気のリスクも変わる
女性の心身は、女性ホルモンの増減によって大きく変化します(下の図)。そして、思春期、妊娠・出産とその前後、更年期、老年期とそれぞれの時期に気をつける病気があります。
一方、地域や職場での検診や健康診断は公金で実施されるため、ある集団が受けた場合に有効であると証明された項目に絞られています。
「乳がん検診や子宮がん検診のような大切な項目もありますが、主な項目は戦後間もなく当時の働き盛りの男性を基準に決められたものです」と女性ライフクリニック銀座・新宿理事長の対馬ルリ子先生。
「女性にリスクが高い病気に加え、多様化するライフスタイルに応じて調べておくほうがよい項目はがん検診や一般の健康診断だけではカバーできません」。
このような理由から、産婦人科を中心に、女性の年齢やライフスタイルに合わせた「女性検診」を人間ドックとして実施する医療機関が増え始めています。
このような人におすすめ
●婦人科のかかりつけ医がいない
●専門医のもとで女性検診を受けたい
●膠原病や甲状腺疾患のような女性に多い病気もチェックしたい
●年齢が上がるとリスクが高まる生活習慣病も一緒に調べたい