【どんな検査?何がわかる?】
乳がんや婦人科系がんの有無、膠原病や甲状腺疾患など女性に多い病気をトータルチェック
女性検診では、10代から老年期までの女性の、それぞれの年代に合わせた検査項目を用意しています。
例えば、10〜30代ではクラミジアやHPVウイルスのような性感染症の有無、経腟超音波検査、基礎体温診断などで基本的な健康状態を調べます。「せっかく基礎体温をつけていても、それを活用できていないことが多いのです。基礎体温診断は、女性ホルモンと体調や妊娠との関係を理解し、自分の健康状態をコントロールすることにつながります」。
30〜40代では、増え始める子宮筋腫、卵巣囊腫などを経腟超音波検査でチェック、乳がんや子宮頸がんの検査、更年期に向けての骨密度測定、女性ホルモン量の測定などが行われます。
50代以降は、加齢やそれに伴う女性ホルモンの減少によって、さまざまな病気のリスクが高まります。糖尿病、高血圧、脂質異常症といった生活習慣病、がんに加え、女性には甲状腺機能亢進症・低下症のような甲状腺の病気、リウマチなどの膠原病が増えるため、これらのリスクに関連する検査も行われます。「更年期には、老年期の健康も見据えて受診項目を考慮してほしいですね」。
ストレスが健康に影響を与えていないかも調べる
もう一つ、女性検診で重視されるのがストレスのチェックです。「月経前のイライラは多くの人が経験しますし、更年期には不眠やうつも頻発します。また、パートナーとの関係、子育て、介護、仕事などライフステージに応じた悩みがあり、経済状態も健康に影響を与えます。心の不調が体の不調につながることも多く、ストレスチェックで心身や社会的・経済的状況を把握することで、回復の糸口をつかむ人もいます」。
発見できる主な病気
●乳がん
●子宮頸がん
●子宮体がん
●甲状腺疾患
●リウマチ
●骨粗しょう症
●生活習慣病
取材・文 小島あゆみ 撮影 田中 雅、柳原久子、本誌・大見謝星斗、伏見早織 イラスト 岡部哲郎
『家庭画報』2022年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。