第27回 「自分の色」を象徴する、マックスマーラのコート
「コート大臣」と呼ばれるほどコートが大好きで、クローゼットのドアが外れるほど(笑)の数のコートを所有してきました。中でも、ひときわ思い入れがあるのがマックスマーラです。20代で初めて手に入れて以来、30代、40代、50代と、マックスマーラのコートはいつもそばにいて、私の装いの格を引き上げてくれたように思います。
年代ごとに何着も買い足しながら愛用してきましたが、興味深いのが、その時々で一番好きだった、自分のシグネチャーカラーというべき色を選んでいること。20代から30代半ばまではベージュ系、30代後半~40代半ばはブラック、その後はネイビー、チャコールグレー、ライトグレーと変化しながら今に至っています。
選んできたコートは、すべてウールでオーソドックスなデザインばかり。私にとって、マックスマーラのコートは「今日着ていくものの、メインアイテム」であり、装いの軸となるもの。だから知らず知らずのうちに、その時の自分にとってのベーシックカラーであり、手持ちのワードローブとコーディネートしやすい色を選んできたのだと思います。
そして、人生の後半戦を迎えた今、マックスマーラで新たなカラーのコートが欲しいな……と思い始めています。その色とは、象牙色とでも表現したくなるような淡いベージュ。今まではウールがメインでしたが、次に買うなら艶やかな光沢感と独特の畝が美しいカシミヤと決めています。もちろん値が張りますが、そのコートを羽織ることで、残りの人生を楽しく歩いていけることを思えば、その価値があると思っています。それでは、現在の私が惚れた「一生もの」コートを紹介していきましょう。
この先の人生を共にしたい
珠玉のカシミヤコート
「カシミヤのコートは、様々なブランドから出ていますが、遠目からでも“マックスマーラだな”とわかる独特の色味と素材感が大好き」。コート〈右〉背中にフラップがついた、トレンチのディテールを取り入れたデザイン。襟元のボタンをはずすと、少し大きめの襟のテーラードに。80万4100円 〈左〉ベーシックなテーラードで、ボタンのないガウンタイプ。共布のベルトがついています。81万2900円/ともにマックスマーラ(マックスマーラ ジャパン)今、私がリアルに欲しいと思っているのが、左側の「カシャ」と呼ばれるサンドベージュのコート。このなんとも言えない象牙色のような色味と艶やかな光沢にひと目惚れしてしまいました。右側の「ヘーゼルナッツ」も、大好きな色のひとつ。2つとも、カシミヤ100%のダブルフェイス素材を使用し、ブランドが誇る伝統の技法を駆使して作られています。
マックスマーラのカシミヤの特徴は、さざ波のような美しい畝模様。これは表面に「ジベリン(イタリア語で「セーブル」の意)加工」を施すことにより、セーブルの毛皮のような独特の光沢と立体感を出すことによって生まれるのだそう。また、滑らかなダブルフェイスは「ドッピオ・アプリービレ」と呼ばれる、外側から見えない繋ぎの糸により、2枚の生地を縫い合わせる特別な手法で作られています。
この布地は、ミクロ単位の精度を持つ特殊なカミソリで布端を切り開き、内側に折り込んで「クチート・ア・マーノ(手縫い)」で合わせているとのこと。高い技術を有するサルトリアの職人により、10㎝ごとに平均35~40にも及ぶハンドステッチで仕上げられた素材は、まるでオートクチュールのような美しさ。見るからに「いいもの」とわかる、「一生もの」にふさわしいコートです。
きれいめでもカジュアルでも映える
華やかなデザインコート
ストールを巻いたようなショールカラーが華やかなデザインコートは、襟もとのアレンジがきき、きれいめスタイルからカジュアルまで幅広く活躍する「頼れる1着」。バージンウール&カシミヤのブークレー組織のダブルフェイス素材ならではの、柔らかくふっくらとした肌触りが気持ちよく、纏うたびに幸せな気持ちに。ダブルフェイスは先ほどご紹介したカシミヤコートと同様、熟練の職人が手仕事で仕上げたもの。サイドには深いスリットがあしらわれており、動くたびにドラマチックに揺れる様がフェミニンです。
サルトリアの技術を駆使して作られる最高級コートコレクション「マックスマーラ アトリエ コレクション」の1着。「このライトグレーの色味がいいのよね~」とおおさわさん。「グレーのワントーンでまとめた、私的な“王道”スタイル。靴はローファーでもスニーカーでも合いそうなところが、このコートの魅力です」。コート72万8200円 ニット6万2700円 パンツ9万200円/すべてマックスマーラ(マックスマーラ ジャパン)40年代の映画で見たことがあるような
クラシカルなコート
往年の大女優が纏っていたかのような、クラシカルなデザインは私の“大好物”。バージンウール×モヘア×キャメルをミックスしたネップツイード調ファブリックを、コクーンシルエットに。このコートの存在感を際立たせているのが、袖口にギャザーを寄せ、立体的に仕立てたワイドラグランスリーブ。エレガンスが薫り立つ、タイムレスなコートだと思います。
こちらも「マックスマーラ アトリエ コレクション」のもの。「グローブとつば広のハットを合わせたくなる優雅なデザイン。“こういうコートを美しく着こなせる女性になりたい”と思わせてくれる逸品です」。コート62万8100円 ネックレス9万1300円/ともにマックスマーラ(マックスマーラ ジャパン)振り返ってみると、私のコートの「原点」は、20代の時に買ったキャメル色のマックスマーラだったなとつくづく思います。あれから数十年が経ち、年齢を重ねてもなお、「好き」の軸は変わっていません。むしろ時間の経過とともに進化しながら、「原点」に立ち返っていくような気がしています。そろそろ、「一生もの」のコートが欲しいと思っている方は、是非マックスマーラに行ってみてください! きっと、「あなた色」を映したコートが見つかると思いますよ。
●問い合わせ先
マックスマーラ ジャパン
フリーダイヤル 0120-030-535