書・文=コシノジュンコ(デザイナー)
無駄というのは、ダメなことではなくて、ちょっとしたゆとり、隙間、間のこと。24時間仕事ばかりだと、“無駄”が全然ないですが、少し休んだほうが、いい仕事もできる。緊張感をふっと抜くことが大切です。
例えば睡眠も、何もしていないわけではない。次の日のために休んで、また一日が始まる──、睡眠は無駄じゃなくて、新しい活力になる。
一見、無駄と思えていることこそ重要なのです。無駄があるから、一日一日に面白さがあったり、その人らしさがあったり。振り返ってみると人生には、そういう風にメリハリがあって、抑揚があって、面白いなと思うんです。
「急がば回れ」という諺がありますよね。遠回りして無駄に思えることにも、そこには意味があるのです。
撮影/本誌・大見謝星斗
『家庭画報』2022年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。