【11月の食養生】
◆立冬の食の風物詩・冬瓜(とうがん)
立冬の食養生といえば冬瓜。夏に採れて冬まで保存がきくという意味で名づけられたこの野菜は、昔から保存食として重宝されてきました。
カリウムを含んでいて血圧の調整作用があり、腎臓病やむくみによいとされています。冬瓜のスープやあんかけ煮など温かい料理法がおすすめです。
◆葛・しょうが入りねぎスープ
風邪の予防やひきはじめに体を温める効果抜群のスープを。2カップの水に長ねぎ1本分のみじん切りと親指大のしょうがのすりおろしを加えて弱火で20分程度煮込みます。味付けには味噌か醬油を少量。葛粉を足してとろみをつけるとさらに効果が出ます。
◆目の充血、風邪、頭痛に菊花茶
小菊のつぼみを乾燥させた菊花の茶は目の充血やかすみ目によく、風邪にも頭痛にも使います。少し苦みがありますが、ティースプーン1杯をお湯に溶かし、菊花もいっしょに食べながら飲みます。精神安定作用もあり、菊花を詰めた菊枕には安眠効果があります。
【漢方薬局だより】
腰を痛めやすい人へ。足の指が開きますか?「急に寒くなりましたね」の挨拶とともに増えてくるのが、ぎっくり腰や腰痛の相談。その場で靴を脱いでいただき、「足の裏を床につけたまま、足の指を左右に開いてみてください」とお願いすると、できない人が多いのです。特に日頃ヒールやつま先の細い靴で足を締めつけている女性はほとんど開きません。
足指が開かないのは足先の筋肉や神経が圧迫されて余裕がなく張っている証拠。その緊張は下肢から腰、そして肩へ及び、足腰をひねったり、肩こりを起こしやすくします。
そのようなかたにおすすめするのが足の指を広げるストレッチグッズです。1日数時間、足指の間に挟むだけで、2、3か月後には「だいぶ開くようになりました。腰痛や肩こりも楽になりました」との報告が届きはじめます。さまざまなタイプの商品が市販されていますので試してみてはいかがでしょうか。
〔解説してくださったかた〕横浜薬科大学客員教授・薬学博士 漢方平和堂薬局店主 根本幸夫先生1947年生まれ。1969年東京理科大学薬学部と東洋鍼灸専門学校を同時に卒業後、さらに鍼灸と中国医学を学ぶ。「普段の生活こそが治療の場」をモットーに、漢方平和堂薬局(東京都大田区)では多くの人々の健康相談にのり、養生法をベースに漢方薬処方を行う。(社)日本漢方連盟理事長。前・横浜薬科大学漢方和漢薬調査研究センター長。著書多数。 撮影/本誌・武蔵俊介 イラスト/浜野 史 取材・文/浅原須美
『家庭画報』2022年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。