日本の聖地を訪ねて 日本人は古来、自然の中に八百万の神々を見出し大切にしてきた土地柄です。神聖なる力や自然の美しさを感じられる聖地を数秘研究家のともこさんが訪ねます。新時代の開運の縁となりますように。
記事一覧はこちら>>> SuhiLife ともこ数秘研究家・ライフコーチ・コラムニスト。数秘の智慧を生活に生かし、しなやかで心地よい暮らしを送るヒントを伝えている。個人セッションのほか、カルチャースクールでの講義も行い、人気を集めている。初となる著書『誕生日が教えてくれる本当のあなた』(世界文化社)が絶賛発売中。第8回 古代からの架け橋 対馬・壱岐島
今回は長崎県の二島、対馬と壱岐島の聖地を巡礼してきました。島の約9割が森林の対馬は、多くの野生動物が生息し、沖縄・北方領土を除き日本で3番目に大きな島です。
九州百名山にも選定されている対馬のシンボルの霊峰・白嶽への登山やリアス式海岸でのシーカヤック体験など、海と緑につつまれた大自然から、この島だけに流れる時間を感じることができます。
和多都美神社の社殿の裏には対馬原生林が広がり、豊玉姫命の墳墓があるなど、神秘的な空気が満ちる。神秘的な小島神社は1日2回の干潮の前後数時間だけ海から砂の参道が現れ、歩いて渡り参拝することができる。豊玉町の名の由来になった豊玉姫命(とよたまひめのみこと)と、「海幸彦山幸彦(うみさちひこやまさちひこ)」の神話で知られる彦火々出見尊(ひこほほでみのみこと)をご祭神とする和多都美(わたづみ)神社には竜宮伝説が残り、本殿から並ぶ五つの鳥居のうち一の鳥居と二の鳥居は、満潮時、海水が満ち、まるで竜宮城へつながる道を照らしてくれるかのようです。
大鬼が鯨をすくうために足を踏んばった跡との伝説が残る周囲110メートルの大穴「鬼の足跡」。牧崎公園内にある。対馬特有の天道信仰の中心地だった多久頭魂(たくずだま)神社の御神木。そして、神々の宿る島として神聖なる氣を放つ壱岐島は、自給自足できる島と呼ばれるほどの食材の宝庫です。麦焼酎発祥の地であり、壱岐牛、壱州豆腐などの特産品も知られています。
「海のシルクロード」として、弥生時代には様々な文化や技術が伝来した壱岐島。国指定特別史跡・原(はる)の辻遺跡に立つと、約2000年前の海の王朝としてのパワーを感じました。
女獄(めんだけ)神社の御神体の巣食石。ゼロ磁場といわれ、エネルギーが溢れる場所として注目されている。さらに島全体が神域の小島神社。全国の月讀(つきよみ)神社の元宮ともいわれる月讀神社。小さな島でありながら、神社庁に登録されている神社だけでも約150社を有するといわれています。
対馬・壱岐島は古代からの架け橋として、悠久の浪漫を感じることのできる稀有な聖地でした。
撮影・取材・文/ともこ
『家庭画報』2022年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。