加齢で変化する心身に応じて検査項目を設定「女性検診」
女性のライフステージや個々のライフスタイルに応じた検査項目を揃え、カウンセリングにも力を入れる「女性検診」。長くつきあえるかかりつけ医との出会いのきっかけにもなります。
〔解説してくださるかた〕女性ライフクリニック銀座・新宿理事長 対馬ルリ子先生
●前回の記事
「女性検診」はどんな検査?【受け方選び方】
若いときから検診を受け続けると、心身の変化、体質や生活上のリスクを認識でき、早めに病気に対応できる
医師が検査を担当する女性検診であれば、検診時に診断もできるというメリットがあります。「検診で更年期障害が明らかになった人には、検診結果の詳細を聞きに来てもらうまでの1か月間にホルモン補充療法を試し、その間の症状の変化を聞くこともあります。楽になっているとしたら、やはり更年期障害だったとわかります」。
同じ医療機関で受診して、かかりつけ医になってもらう
女性検診は、毎年1回、できれば同じ医療機関で受け続けるとよいでしょう。「医師にとっては、たった一度の検査の結果を見て、この人はほんとうにがんではないといい切ることは難しいのです。毎年1回の検診で、あるいはそれに続く治療で診ているかたなら、データも蓄積していき、がんのリスクも判定しやすいし、医師の側にも“何か自覚症状があれば相談してもらえる”という安心感があります」と対馬先生。
女性検診を実施している医療機関では、内科、整形外科、精神科などの専門医と連携している場合が多く、窓口となって各科の専門医に紹介します。
対馬先生は、母と娘が一緒に受けることもすすめます。「母親が自分の健康を大事にしているのは、娘にとってよい手本です。健康や性について話すきっかけにもなります」。
女性検診を「私はこれで1年間元気に働ける」「資格試験に専念できる」「いつでも妊娠できる」と自己実現やウェルビーイングに向けての節目にしている女性も多いとのこと。「女性検診は、自分の未来への投資です。人生100年時代、健やかに楽しく過ごすために、検診・健康診断・人間ドックを通じて、医療機関や医師を伴走者にしてもらえればと思います」。
上手な受け方・選び方
●かかりつけ医として長くつきあえる医師・医療機関を選ぶ
●体質や生活に応じてテーラーメイドで検査項目を変えてもよい
●少なくとも年1回、継続して受けるのが望ましい
取材・文 小島あゆみ 撮影 田中 雅、柳原久子、本誌・大見謝星斗、伏見早織 イラスト 岡部哲郎
『家庭画報』2022年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。